浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

大杉・野枝・橘宗一の墓

2017-09-18 08:59:59 | その他
 グーグルのマップで、「大杉栄の墓」といれると、きちんと静岡市・沓谷霊園のその場所が地図上に表示されるようになっている。昨年はそうではなかった。左側に大杉の墓にもっとも近い霊園の入り口が表示され、「史跡」となっている。

 なぜだろうと話し合ったが、何でも「パワースポット」となっているのだそうだ。何のパワーかというと、「自由恋愛」、Free Love、愛が成就するというのだ。

 大杉榮は、日陰茶屋事件に見られるように、堀保子、神近市子、伊藤野枝という三人の女性との間で悶着が起きている。結局伊藤野枝と「結婚」(婚姻届は出していない)し、虐殺されるまで仲良く暮らしていた。

 思うに、異性との出会いというのは、狭い人間関係の中で生じる。しかしそのなかから、ほんとうに自分自身の思想や感情、生活パターンなどとうまく合致するような異性を見つけるということはほとんどできないと思う。一時の恋愛感情に呑まれて「結婚」する、というのが一般的だ。大杉も野枝も、お互いを、ちょうど合致する存在として発見できたということなのだろう。
 そうした出会いもないままに、多くの人は死んでいくのである。

 だとすると、大杉と野枝の墓に詣でるということは、真に合致する異性との出会いを求めて、ということになろうか。

 実際戦前には、近くにあった女子師範学校の女性たちが、墓参りをしていたというエピソードがある。

 墓前祭に関わる者として、「自由恋愛」、あるいは「真の恋人をみつける」パワースポットとして宣伝しようかとも思う。

 いやいや、大杉や野枝は、墓の下から、「それはやめてくれ」と言ってくるかもしれない。しかし、せっかくであった二人が、国家権力によって惨殺されたという歴史的事実を知ってもらうためにも、人口に膾炙するように、私たちは行動しなければならないと思うのだが・・
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