浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

農業のはなし

2025-01-14 21:17:51 | 社会

 子どもの頃、田畑がひろがっていた。しかし、その面積はどんどん狭まっていった。そして今は、米を作らない田、作物をつくらない畑も増えている。

 さらに、田が次々埋められ、そこが運送トラックの基地となったり、ソーラー発電所になったり、農地面積は減り続けている。

 『週刊金曜日』に、「主食の生産守れなくて何が食糧安保だ」という記事があった。アメリカから農産物を輸入するために、ひたすら日本の農業をつぶしてきたのが、自民党・公明党政権の農政であった。「ノー政」とも言われてきたが、いよいよもって日本農業は自壊へと歩を早めている。

 今、田畑で作業をしているのは、高齢者ばかりだ。その高齢者は、年金を得ているから農業をやれている。脳病一筋の人は、農業だけでは生活できないので、よほど耕作面積を広げないと生きていけない。

 記事には、農家の現状が記されている。トラクターは300~400万、コンバインが500万から600万だ。耕作面積を広げるということは、このような農業機械を導入しなければ無理である。「農業機具だけで年間100万円くらいの減価償却費がかか」るとある。「1俵6万円で政府に買い上げられても、うちの場合、1町3反で60俵とれたとして360万円。そこから農機の償却や肥料代、燃料費などを引いていくと残るのはおよそ200万円。新卒給料より安い。」

 高価な農機具を導入できない人たちの耕地面積は狭い。だから、他産業で働いていたことによる年金がないと、農業はできない。からだのどこかを痛めながら、高齢者は農作業に従事している。いずれ、その人達も農業から離れざるを得ない。誰が米を作るのか、誰が農地を耕すのか。

 昨日の『東京新聞』第一面は、「スキマバイトの隙間」で、高校生の告発をもとにした記事があった。高校生は東京都が全額負担している「レインボーライド」の会場設営の仕事に応募した。そこで様々な法令違反をみつけた。時給は1165円。東京の最低賃金は1163円だ。

 東京都は、この事業に5億円を投入し、フジテレビとALSOKの共同事業体に委託した。今問題となっているフジテレビなど大企業に大金を渡し、二社はおそらく中抜きし、下請けに出している。さらに何重にも下請けに仕事がまわされ、最低賃金でスキマバイトの働き手がこきつかわれる。

 政府も、地方自治体も、集めた税金をこのように大企業にまわし、その金がどのように流れているのかを調べようともしない。

 政府自治体は、農業を捨て、労働者を捨て、大企業だけに集めた税金を流している。ひどい事実にわたしはいつも憤りを覚えるが、しかし庶民はどうなのか。

 怒りは?

 

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