窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

【WBN】中孚は柔、内に在りて剛、中を得たり

2015年04月27日 | WBN情報


  4月24日、早稲田ビジネスネット横浜稲門会(WBN)の分科会に参加してきました。

  今回の講師は、ユーリズムコンサルティング代表、早稲田大学ラグビー部OBで経営コンサルタントの小野有理さんにお越しいただき、「モチベーション:激動の時代に部下のやる気を高める方法」と題してご講演いただきました。小野さんは、ちょうど2年3か月前の分科会以来、二度目のご登壇です。

前回のレポートはこちら

  前回同様、ノンストップの熱いお話は、その量も膨大でまとめるのが大変なのですが、今回のお話は部下のやる気を高める「方法」というよりは、「リーダーの姿勢」と呼んだ方が良い内容でした。

  まず全ての前提となるリーダーの資質について。それは「情熱」と「規律」。前回レポートのタイトルは「偉大な教師というのは、生徒の心に火をつける」でしたが、その「心に火をつける」元となるのが、とりわけ「情熱」だということです。さらに言えば、その「情熱」を生み出す根源は「愛」、「愛」とは対象となる人を「どれだけ本気で知ろうとすることができるか」ということ。それは単に感情を知るだけでなく、理性的にも知らなければなりません。したがって、「愛」から生み出されるものが必然的に「情熱」と「規律」ということになるのではないかと思うのですが、早稲田大学ラグビー部の名将、大西鐵之助先生はこれを

左目でその人を全力で愛し 右目でその人を全力で分析せよ

と表現されたそうです。この言葉は、高名な経済学者、A.マーシャルの名言”Cool head but Warm heart”を想起させます。また、左目は情緒を司る右脳に直結し、右目は論理的思考を司る左脳と直結しているそうですが、上の言葉は恐らくそのこととも無縁ではないでしょう。

  したがって、「愛」の反対語は「無関心(無視)」。無関心とは愛の欠如のことであるとも置き換えられると思いますが、リーダーとして心から愛の欠如はないと断言できるかどうか。永遠のテーマです。



  第二に。なぜ「激動の時代に部下のやる気を高めなければならないのか」については、企業組織としてはそれが「業績向上につながるから」というのは凡そ異論のないところだと思います。実際、多少表現方法は異なっても、業績を向上させる公式は、

業績=能力(Ability)×モチベーション(Motivation)×理念の理解(Understanding Mission)

であると言われています。各因子にはそれぞれ特徴があり、

能力:値を大きくすることはできるが、先天的個人差も存在する
モチベーション:ゼロになる可能性がある
理念の理解:理解の仕方を誤ると、マイナスになる可能性がある


ということだそうです。

  上の公式の第二因子である「モチベーション」が今回のメインテーマとなるのですが、一般にモチベーションを高める要因として「金銭」・「恐怖」・「成長」の三つが挙げられます。しかし、金銭と恐怖には、

金銭:原資に限界がある。評価基準を外すと機能しない。チームワークを阻害する恐れがある。
恐怖:最初はうまくいくが持続しない。失うものが多い。


といった欠点が指摘されており、「成長」を要因とするモチベーション向上が望ましいとされます。問題は、その人が成長したいと望んでいるか否かですが、成長欲求の条件となるものが「自律」だということです。「自律」については、前回レポートで述べましたので割愛しますが、2月19日の分科会における本田仁さんの「メンタリング」のお話とほぼ共通していると思います。

  お話の中に出てきた、六代目尾上菊五郎の辞世の句、

まだ足らぬ 踊りおどりて あの世まで

自律心を持った人の成長欲求は生涯を賭しても足りないほど、大きく強いものだということでしょう。

  最後に。前回はその「自律」という考え方が、当社の役職名ともなっている「和声(わせい)」と同義であるということについて述べさせていただきましたが、今回は同じく役職名となっている「中孚(ちゅうふ)」について考えました。「中孚」は『易経』の卦「風澤中孚」からの引用ですが、『易経』の「彖伝(たんでん)」では「中孚」について、次のように述べています。

中孚は柔、内に在りて剛、中を得たり。説びて巽(したが)い、孚(まこと)ありてすなわち邦(くに)を化するなり。

  中孚とは、まさに小野さんのお話の中の「リーダーの姿勢」そのものなのではないかと、今回改めて思った次第です。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【WBN】我童蒙を求むるに匪ず、童蒙来たりて我に求む

2015年02月19日 | WBN情報


  2月17日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に出席してきました。

  今回の講師は、ゼロから1を生み出すメンター、セレンディピティの本田仁さんにお越しいただき、「少子高齢化時代に勝ち残る企業のつくり方~真・メンタリング入門」と題してご講義いただきました。

  短時間で非常に内容が多岐にわたりましたので、ここではほんの一部のみご紹介したいと思います。

  「メンタリング」とは、メンターが相手(メンティー)をやる気にさせ、相手の持つ可能性と能力を最大限に発揮させる手法をいいます。良く似た言葉に「コーチング」がありますが、コーチングが具体的な目標達成支援を目的とするのに対し、メンタリングは生き方を変え、人生という長いスパンで支援するという点で、より広い概念になるそうです。正しいか分かりませんが、「カウンセリング」に近いのかな、という気がしました。

  相手をやる気にさせ、相手の持つ可能性と能力を最大限に発揮させるメンターには見本(率先垂範)→信頼(受け入れ)→支援(やる気にさせる)という3つの行動基準があるそうで、それぞれの比重は7:2:1になるのだそうです。

  これに関してふと頭を過ったのが、山本五十六の「やってみて、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は動かず」という箴言です。これを先ほどの行動基準にあてはめると、「やってみて、言って聞かせて」が7割、「させてみせ」が2割、「ほめて」が1割、「話し合い、耳を傾け」が7割、「承認し」が1割、「任せて」が2割ということになります。なるほど、自分がやり過ぎても、相手に任せ過ぎても、ほめ過ぎてもダメだということですね。

  この行動基準に則った時、それは相手にとって尊敬→信頼→やる気・感謝となります。

  メンターは相手を思いやり、見返りを求めません。見返りを求めない方が却って相手に「返報性の法則」が働くので、相手の自立を促す、本物の支援ができるのだそうです。また、手の貸し過ぎは逆に相手の依存性を高めてしまいます。真心で相手に寄り添いながらも手を貸し過ぎないようにする、メンター自身が強く自身をコントロールできていないとなかなか難しいことではないかと思いました。

  同様の理由で、自分の意見や助言も最小限に抑えます。答えは相手の中にしかなく、人は自らが成長したいと思った時にしか成長しないためです。このことは、「啓蒙」の語源となった『易経』の「蒙」の卦にある「我童蒙を求むるに匪ず、童蒙来たりて我に求む」(自分から出向いて幼い者に教えようとするのではない。幼い者の方から自分に教えを請いに来るのである)を思い出させます。

  それは相手の自立と成長を目的とするからですが、この概念を取り入れた「メンタリング・マネジメント」という手法のお話で印象に残ったのが、「仕事の成果とプロセスのどちらを重視するかではなく、いずれにしてもその行動が自発的であったかを重視する」という考え方です。なるほど、と思いました。

  メンタリングでは、いかなる環境・条件の中においても、それを成長のための教訓ととらえます。これをプラス受信(客観的・好意的・機会的に受け止めること)というのだそうですが、いわゆる「プラス思考」や「ポジティブ思考」と異なる点は、厳しい現実や自身の辛い・悲しいといった感情もいったん受け入れるということです。ここは非常に共感した点です。

  こうしてみると、メンタリングとはメンター自身が成長していくための永遠のテーマであり、同時に周囲のメンティーや彼らが構成する組織、組織が構成する社会を成長させていく深いテーマなのではないかと思いました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【WBN】第二回ベンチャー企業のプレゼン大会

2013年09月11日 | WBN情報


  遅くなってしまいましたが、8月21日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に出席してきました。

  今回は、昨年11月に続き第二回目のベンチャー企業プレゼン大会でした。



  トップバッターは、第13回YMSの講師としても来ていただいた、フェアリーランドの菊地加奈子さん。ご自身も4児の母親であり、社会保険労務士として活躍されている経験の中、さまざまなワークスタイルに合わせられ、かつ子供を「預ける場」ではなく「育てる場」を提供できる環境を整えたいという思いから、保育施設「フェアリーランド」を開設されました。「子供にとって幸せな環境を提供することが、親の就労意欲にもつながる」という、仕事と家庭が好循環を生むような環境が今後広がっていくことにより、社会そのものも活性化していくような気がします。



  二番目は、こちらもYMSでいつもお世話になっている、株式会社プーリモンドの長谷川一さん。ディスカウントストアでの財務経験、広告代理店業を起業された経験から、中小零細企業に特化した総合コンサルティング会社を今年設立されました。会社名のプーリモンド(Pour Le Monde)というのは、フランス語で「世界へ」という意味らしいです。



  三番目は、南三陸ミシン工房の鈴木やすかさん。ご本人は普段東京でお仕事をされていますが、縫製の仕事を通じた被災地の方々の支援をされています。被災された方が縫製を教えることを通じて震災後の喪失感から立ち直り、生きる力としていく活動です。当初は簡単な縫製作業から始まりましたが、今では積極的な商品開発を行い、都市部で販売されているそうです。印象に残ったのは、ただ商品を作って販売するのではなく、作った方と買った方とのコミュニケーションを大切にし、そのための様々な仕掛けがなされていることです。



  最後は、まだ現役の学生さんなのですが、巽祥太郎さんより「後払い決済」についての解説。僕自身は後払い決済というものを利用したことがないのですが、お話を伺うと後払い決済というものには随分と様々なニーズがあるのだとわかりました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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【WBN】天荒を破る経営

2013年07月15日 | WBN情報


  7月13日、早稲田ビジネスネット横浜稲門会(WBN)の総会があり、その中で、三木佑二郎先輩のご講演を拝聴する機会がありました。三木さんは、早稲田大学応援歌「コンバットマーチ」の作曲者であり、WBNの発起人でもあります。僕は以前も中華料理屋でご一緒し、お話を伺う機会があったのですが、何しろ破天荒なエピソードの連続とテンポの良い話し方に、引き込まれっぱなしだった記憶があります。

  今回は小豆島国際ホテル再建のお話でした。小豆島は1954年(昭和29年)の映画「二十四の瞳」の舞台となったことで、一時ブームとなるも、その後は衰退。三木さんが1998年(平成10年)に買取った小豆島国際ホテルも昭和40年代に造られた老朽化したホテルだったそうです。

  7年連続で赤字という同ホテルの再建にあたり、三木さんが最初に取り組んだのが従業員の意識改革。①笑顔、②窓を拭く、③3回以内に受話器を取る、この三つを徹底と聞けば、当時どんな経営状況にあり、前途多難な船出であったか察しがつきます。

  次に施設の改装。老朽化した施設ではお客が呼べないのは当然ですが、多額の負債を抱え、赤字が続くホテルには改装費がありません。しかし、三木さんはこの「金がない」ということを逆手に取り、驚くような発想の連続で露天風呂の新設、床や壁紙などの改装を成し遂げます。そればかりか、改装後のランニングコスト削減まで同時に達成してしまうという徹底振り。詳しい内容はここで書くことができませんが、「金がないからでいない」ではなく「金がないからどうする」という発想で貫かれているように思います。

  第三にお客さんをどう呼ぶかという営業改革。以前、旅行会社の方から伺ったことがありますが、日本の地方にある旅館やホテルは、今日の旅行のニーズが個人主体であるにも関わらず、昭和40年代までの団体旅行者向けに造られたものがほとんどだそうです。これを個人旅行者向けに変えられれば簡単なのですが、多くの旅館やホテルはそんな資金的余裕がありません。こうしたことが観光産業の問題の一つとなっているそうなのですが、小豆島国際ホテルもその例に漏れない状況でした。

  ここで三木さんの面白いところは「本当に団体旅行客がいないのか?」という視点で市場を調査し、さらにターゲットを絞ったら、彼らが同ホテルに来る仕組みやサービスを整えたという点です。多額の投資をすることなく、想像力で補っていく。この柔軟性には驚くばかりです。

  しかし、実は、一見型破りに見える行動にも、三木さんはその背後にある会計的視点を非常に重視しておられます。これは以前お話を伺ったときもそうでした。今回の例で言えば、季節性が激しいホテル業にあって、損益分岐点分析を細分化することによって、価格設定を変えていく手法などがそれに当たると思います。

  冒頭で三木さんのことを「破天荒」と形容させていただきました。「破天荒」というと、現在では「豪快で大胆」というような意味に誤用されがちです。確かにその意味でも三木さんは「破天荒」であるのですが、それだけではありません。三木さんの場合は、目的達成のため、「常山の蛇」の如く自在に変化する豊かな発想力と、それを裏付ける緻密な会計的視点が車の両輪となって常に補完しあっているのでした。このようであってこそ、本当の意味で「天荒を破る」経営が可能になるのではないかと思いました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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【WBN】善く戦う者は、之を勢に求めて、人に求めず

2013年03月30日 | WBN情報


  3月28日、早稲田ビジネスネット横浜稲門会(WBN)の分科会に参加してきました。

  今回の講師は、プルデンシャル生命保険株式会社で営業マンの最高位であるエグゼクティブライフプランナーに入社後5年で認定され、さらに営業マンとして売上成績日本一、営業マネージャーとしてチームを業績日本一という輝かしい実績をお持ちの、株式会社 アイ・タッグ代表取締役、小林一光さんにお越しいただき、「チームで結果を出すためにマネジャーとして大切なこと」と題してご講演いただきました。前回の小野有理さんに続き、小林さんも早稲田大学ラグビー部のご出身です。



  業界は違えど、営業というお仕事で金字塔を打ち立てた方のお話なので、当然楽しみだったわけですが、本題に入る前のお話でまず心に残ったエピソードがありました。それは小林さんがプルデンシャル生命保険に移る前の会社での上司とお会いした時のこと。その時、昔の上司から「お前が辞める時はスターがいなくなるので困ったけど、辞めたら逆にチーム力が上がって営業成績が逆に伸びたんだよ。辞めてくれてありがとう。」と感謝されたのだそうです。つまり、個々の能力が高いことに越したことはないのですが、一人のスターよりはチームの力の方が強いということだったのです。

「善く戦う者は、之を勢に求めて、人に求めず。」―孫子―

  では、ご講演の内容を簡単にまとめさせていただきたいと思います。

1.時代背景の変化

  インターネット・メールの普及により、コミュニケーションの取り方が変化してきています。しかし、言い難いことほど対面で言わなければならず、メールで済ましてはならないということです。

  また価値観が多様化したことにより、社員個々が会社に籍を置く理由はさまざまになっています。加えて長引く不況により、上司の過去の成功体験に基づいて仕事をしても結果が出ないということが多々起こるようになっています。こうした環境では、上意下達は通用せず、一方通行から相思相愛の関係を築かなければなりません。

2.今の時代のマネジメントの基本

  結論から言うと、「信頼」を基礎にしたマネジメントを確立しなければならないということです。そのためには、以下のことがなされていなければなりません。

①自分中心からの転換…「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず」―孫子―
②成功体験に固執しない…「兵に成勢無く、恒形無し」―孫子―
③現場主義への回帰…「(先知は)…必ず人に取りて、敵の情を知る者なり」―孫子―

3.名選手は名将になれない?

  名選手が監督になって失敗するのは、自分のやり方を押し付けるから。顧客一人一人の商品価値を見出すことが大切で、そのためには成功体験より失敗体験が重要になるとのことです。仕事には正解がないのだから、考え、行動するしかありません。また、部下の弱みを矯正しようとするより強みを伸ばしてあげることが大切なのだそうです。これは早稲田大学ラグビー部元監督の中竹竜二氏も同じことを言っていました。

鈍足だったら、速く走るな
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4.チームに必要な4つの自信

  メンバーは以下の4つに絶対の自信を持ち、かつそれを自分の言葉で熱く語ることができるでしょうか?

①自分の会社
②自社の商品・サービス
③自分の職業
④自分自身

「信じることっていうのは、僕にとっては希望なんですね。信じれなくなった時に希望の光は見えなくなる。人って誰しもがうまくいかなかったときにちょっと自分を疑うと思うんですね。そのときにいかに自分を信じることができるか。信じるっていうのは本当に希望そのものなんですよね。」―サッカー・本田圭佑選手―

5.マネージャーとしての心構え

①全てはメンバーのためという意識
②メンバーは上下ではなく仲間であるという意識
③常に背中を見られているという意識
④全ての原因は内(自分)にあるという意識
⑤全てはチームと個の目標達成のためにあるという意識

6.マネージャーとしての行動習慣形成

①目標、理念、行動指針を開示する
②メンバーのモチベーションの源泉を探る
→人には過去を埋めたいタイプと未来を達成したいタイプがいる

しつもん仕事術
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日経BP社


③目標だけがライバルである
→他人との比較ではなく、目標に帰属させる

④プロセス管理を徹底する
→コントロールできない結果にフォーカスしない

⑤メンバー一人一人に役割をもたせる

7.メンバーからの信頼を得るには

①メンバーをリードし、導く
②自分ではなくメンバーに恋をする
③メンバーの家族にも責任を持つ
④メンバーの成長を意識し挑戦できる環境を作る
⑤メンバーを信じ、貢献と期待を伝える

世界最高位のトップセールスマンが教える 営業でいちばん大切なこと
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【WBN】偉大な教師というのは、生徒の心に火をつける

2013年01月25日 | WBN情報


  1月24日、早稲田ビジネスネット横浜稲門会(WBN)の分科会に参加してきました。

  今回の講師は、ユーリズムコンサルティング代表、早稲田大学ラグビー部OBで経営コンサルタントの小野有理さんにお越しいただき、「激動の時代に部下を導くリーダーシップコミュニケーション」と題してご講演いただきました。

  小野さんは2000年、2001年と同ラグビー部のコーチを務められ、現在は大阪府立生野高校ラグビー部の監督も務めておられます。そうした背景から、ラグビーの話題を中心に、会社役員や経営コンサルタントとしての経験も踏まえつつ、今の時代に求められる「自律」した人財を育成するためのリーダーシップのあり方についてのお話となったのですが、僕なりに内容をまとめてみたいと思います。

  まず、「自律」とは何かということ。「自立」と共に最近良く使われる言葉ですが、ひとつは文字通り、「自分で立てた規範に従って行動する」こと。そしてもう一つ、小野さんは「旋律」という意味を加えているそうです。すなわち、個々が自発的に能力を発揮し続けようとする結果、それぞれがバラバラではなく生き生きとした調和を奏でるようになること。これを小野さんは「アンサンブル」と呼んでおられましたが、当社の役職名である「和声」(ハーモニー)と通ずるものがあると思いました。



  さて、個々の「自律」を促すためのリーダーシップのあり方についてですが、アメリカの教育者ウィリアム・アーサー・ウォードは、次のような名言を遺しているそうです。

  普通の教師は、言わなければならないことを喋る
  良い教師は、生徒に分かるように解説する
  優れた教師は、自らやってみせる
  そして、本当に偉大な教師というのは、生徒の心に火をつける


  ここで求められているのは「優れた教師」以上のリーダーですが、特に「自律」を促すには、リーダー自身が「優れた」から「偉大な」へと変化を遂げなければならないということです。

  まずは「優れた」リーダーのレベル。これだけでも本当に難しいと思うのですが、小野さん曰く「身体から考える」ことが大切だということです。良く「平常心」と言われますが、心と体は密接につながっており、実際には心をコントロールするより身体をコントロールする方が容易い。それでも余程意識して心掛けていないと難しいのですが、簡単に言えば「人は身を以て知ったことしか、身を以て示すことができない」と心得ることだということです。

  次に「偉大な」リーダーのレベル。小野さんは現役時代、大西鉄之助氏、宿沢広明氏、木本健治氏という三人の名将の薫陶を受けたそうですが、彼らに共通していたのは執念ともいうべき異常なまでの情熱だったそうです。その情熱がなぜ「心に火をつける」のかと言えば、やはり根底として「身を以て知ったことを、身を以て示す」ということがあるからではないかと思います。偉大なリーダーは高く明確な目的、目標、要求水準は徹底的に伝えますが、それ以外は個々が自発的に考え行動するのを待つのだそうです。こうした組織の姿を小野さんは2003年大学選手権準決勝における関東学院大学の選手たちのハーフタイムの過ごし方に見たそうです。それは個々の選手が自由に創意工夫をみせつつ、自生的に一つにまとまる姿、個々がやるべきことを理解しており、監督が選手を信じ切っている姿でした。個々が自ら考え行動するようになるまでの我慢、これができるか否かが「優れた」と「偉大な」を分けるのだと思いました。因みに、小野さんのお話も熱気にあふれ、恐らく参加された皆さんは部屋が相当暑く感じられたであろうと思います。

  最後に印象に残ったこととして「本当に分かりあうために効率化や合理化はない」という小野さんの言葉がありました。本気で個人の「自律」を促したいのであれば徹底的に話し合わなければならず、そのための時間を惜しんではならないのだということです。結局のところ、リーダー自身がどれだけ本気かということに尽きるのではないかと思いました。

  「本当に偉大な教師というのは、生徒の心に火をつける」、当社の部長級の役職名を「中孚」(ちゅうふ)といいますが、これには「誠心」という意味があります。つまり、指示する、教えるのではなく真心で感化する、まだまだ理想の段階ですが、これも相通ずるものを感じました。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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【WBN】第一回ベンチャー企業のプレゼン大会

2012年11月22日 | WBN情報


  11月21日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に出席してきました。

  今回は、日経ビジネス2012年10月8日号の特集「日本を救うベンチャー企業100」にWBNの会員から二社が選出されたことを記念して、「第一回ベンチャー企業のプレゼン大会」と題し、ベンチャー企業4社からの事業紹介がありました。



  トップバッターはWBN理事でもある清水隆志さんより、相続手続必要書類の取得代行サービスを行っているアイポイント株式会社の紹介がありました。

  現在、相続の専門家とされる税理士・弁護士・司法書士の数に対して、相続の申告者数は圧倒的に少ない状態にあるのだそうですが、これが平成27年からの相続税改正によって基礎控除額が大幅に引き下げられるため、申告件数の激増が予想されるそうです。それに対して、経験豊富な専門家が逆に不足する恐れがあり、依頼人が本当に望む相続のアドバイスをする必要性が高まっているというお話でした。



  続いて、千住・エドワード・洋さんより、クラウド名刺管理サービス「Linkknowledge」と「Eight」を提供している三三株式会社の紹介がありました。多くのビジネスマンが直面する、大量の名刺管理。これをクラウド上で簡単に管理するだけでなく、SNSのようにユーザー同士をつなげて発展させるという、非常に興味深い仕組みでした。言われてみれば、僕も名刺の持つ潜在能力を全然活用できていないと思いました。



  三番目は、第20回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)の講師としても来ていただいたことのある、高山純一さんより、最新理論に基づき、アンチエイジングや肩こり、腰痛の解消を目的としたエグゼクティブ向けのトレーニングを開発・提供している、株式会社ロコムーブの紹介がありました。

  僕はこの手のお話が結構好きなのですが、アメリカで行われた非言語行動の実験によると、被験者に2分間力強い姿勢をとらせ、その後ギャンブルに参加させたところ、そうでない場合に比べ、リスクをとる割合が高まったのだそうです。また、被験者の唾液を分析したところ、テストステロン(いわゆる男性ホルモン)が増加し、コルチゾール(ストレスに対抗して分泌されるホルモン。増えすぎると免疫力の低下や鬱などの原因ともなります)が減少したそうです。つまり、姿勢は身体や見た目ばかりでなく、精神にも好影響を与えるということです。



  最後に、坂西優さんより、高品質なウェブサイトの多言語化サービス「WORLD JUMPER」を提供している、八楽株式会社の紹介がありました。WORLD JUMPERについては、2年前に当ブログでもご紹介したことがありますが、その時は多言語対応のアニメグッズサイトでした。それからわずか2年で大変な進化を遂げておられると思いました。

  いずれの皆さんも、様々な問題に直面しながら、物凄いスピードで変化を遂げておられるという点で共通していました。大変刺激の多い、密度の濃い時間でした。ありがとうございました。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
  ブログをご覧いただいたすべての皆様に感謝を込めて。

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