窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

うお時 渡邉清高さん

2009年10月07日 | 講演メモ


 10月6日、横浜市立大学エクステンションセンターのセミナーで偶々ご一緒させていただいた皆さんと、ひょんなことから「意見交換会をしよう」ということになり、当社の会議室を使って活発な意見交換会を行いました。



 テーマは一応「HPおよびブログの活用」という設定で、主にセミナーでご一緒させていただいた、横浜うお時の渡邉清高さん(写真左)、株式会社フューチャーネットワークスの中山いそのさん、同社須藤秀樹さん、そしてジェイ・ライン株式会社大熊雅樹さん(写真右)に講師となっていただきました。

 とはいえ、中身はテクニック的なことよりも渡邉さんのHPやブログの根底にある仕事に対する考え方や思い、そして同じようにブログを活用して面白い活動をしておられる全国の事例を大熊さんに紹介していただくといった内容が中心でした。非常に引き込まれる内容で、活発な意見交換もなされ、設定した3時間半という時間では到底足りないほどでした。



 メイン講師のお一人だった、渡邉清高さん。当社のすぐ近く、横浜市中区若葉町で仕出しお弁当屋さんをされているほか、地域活性化のための活動にも先頭に立って活躍されていらっしゃいます。エクステンションセンターのセミナーでも一際目立つ個性的な存在でしたが、その柔軟な発想と行動力には驚かされるばかりです。



 簡単に言えば、「いかに仕事や地域を面白くするか」に心血を注いでおられ、当ブログでも何度か登場した「経験価値マーケティング」を地で行っておられる感じです。

 例えば、このお弁当箱。お弁当ってどういうわけか、蓋の裏を何気なく見ながら食べますよね。そこで、このお弁当箱は蓋を開けると裏側に横浜の中心地界隈の地図が描かれています。



 それも、ただの地図や良くて観光案内マップであれば「へぇ~」で終わるのですが、何とこれは横浜で撮影されたドラマのロケ地を案内する「ロケ地マップ」なのです。うお時さんはロケ弁なども多く手掛けておられるとのことで、非常に記憶に残る面白い発想だと思います。

 因みに、うお時さんには10月25日に大桟橋ホールで行われる「リサイクルデザインフォーラム2009」にも「地産地消」をテーマにしたお弁当で出店していただく予定です。お楽しみに。

 渡邉さんとは同年代ですし、お話を伺っていて非常に共感できる事が沢山あります。それどころか、その情熱と行動力には本当に脱帽するばかりです。まだ知り合って1ヶ月ほどですが、末永くお付き合いいただいて色々と勉強させていただきたいと思います。

 繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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HAMA Boom Boom ! プロジェクト

2009年09月14日 | 講演メモ


 「FEEL YOKOHAMA Y150 フードセレクション」でHAMA Boom Boom ! プロジェクトの方からお話を伺う機会がありました。

 HAMA Boom Boom ! プロジェクトは横浜という都会のど真ん中、桜木町すぐ近くの北仲町で養蜂をされており、それを通じて地域の環境やコミュニティ、食などについて様々な活動をされています。

 上の写真の円の中心が北仲町。我々が手入れしている花時計のまさにすぐ近くです。そこから飛び立った蜜蜂の行動半径は約2kmと言われています。半径2kmの円のやや左下に赤い点がお分かりでしょうか。ここがナカノ株式会社の本社があるところです。ですから、北仲の蜜蜂たちは当社のすぐ近くまで蜜を集めに飛んできているんですね。



 「都会だから自然がない、と人間が思い込んでいるだけです。こんな都会のど真ん中、半径2kmの範囲からでも蜜蜂が数百キロもの蜂蜜を集めてくるんです。この活動を通じて、横浜の皆さんに身近な自然を感じていただきたい」とは、お話いただいた方の談。

 上の写真は蜂蜜の写真ですが、左から右にいくにつれ徐々に色が濃くなっているのがお分かりでしょうか?実はこれらの蜂蜜はみな同じ巣から収穫されたものなのです。同じ巣から収穫されたものなのに何故蜜の色が違うのかといいますと、季節ごとに花の種類が違うからなのだそうです(花の種類が違うのは分かりますが、何故徐々に薄い色から濃い色になっていくのでしょう。花の種類が違うだけならば濃かったり薄かったりしてもよさそうなものですが...。何か理由があるのかもしれません、聞いておくべきでした)。



 さらにこれは蜂の巣の写真。表側の六角形と裏側の六角形が重ならず、互い違いになっています。これは巣の強度を増すための構造なのだそうです。子供の頃、「蜜蜂が巣を六角形に作るのは、狭い場所に一番効率よく多くの部屋を作ることができるのが六角形だからだ」というのを『みつばちマーヤの冒険』で読んだことがあります。その時も子供心に感激しましたが、本当に自然が蜜蜂に備えさせた力というのは驚くべきものがあります。



 最後に、上の写真は蜜蝋で作った子供達の作品です。「蜜蝋」なんて、子供達は蜜蜂の巣から蝋が摂れるというだけで驚いてしまうと思うのですが、蜜蝋が口紅やクレヨンの材料としても使われているなんてことを知ったら本当に驚くでしょうね。

 値段の安い化学製品に押され、見かけることが少なくなったという点では、私達が扱っているウエスや反毛などの故繊維リサイクル製品と似た境遇にあります。反対に、環境意識や天然素材志向の高まりから蜜蝋が再び見直される時がくるかもしれないという点でも似ているといえるでしょう。

 「色の違う蜂蜜がスーパーに並んでいたって、ただ色の違う蜂蜜というだけのこと。でも、蜂蜜の色が違うのにはこんな理由があって、蜜蜂が私たちの暮らしの本当に身近なところで驚くような生態をもって暮らしているということを知れば、蜂蜜がただの蜂蜜ではなくなる」というお話に、非常に共感を覚えました。当世風に言えば、「エクスペリエンス・マーケティング」や「物語マーケティング」の発想でしょうか。

 振り返れば、私たちの仕事も蜂蜜と同じくらいお話したことが沢山あります。蜂蜜のお話を熱く語る姿に引き込まれ、僕もエネルギーをいただくことができました。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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掛谷剛志さん

2009年04月14日 | 講演メモ
  つい先日、掛谷剛志さんのコンサートを聴く機会がありました。

  掛谷剛志さん、16歳。生まれながらにして視力がなく、成長障害、ホルモン障害など様々なハンディを負っていながら1歳頃より音楽やリズムに対する類まれな能力を発揮され、耳にした曲や歌をたちどころにしてピアノ演奏してしまいます。ピアノも歌も本格的に習ったことはなく、独習とのことです。

  しかしそのピアノ演奏は「ピアノを弾いている」というより奏者とピアノとが一体となって奏でられているようで、高音域の歌声は歌を言語としてではなく音として認識されているためなのでしょうか、音楽と全く調和し、強いて言うなら聖歌隊の歌声を独奏・独唱でやっているようです。

  特に剛志さんが作曲した音楽はヒーリングミュージックのような不思議で、魂に響く旋律です。僕は音楽音痴なので何と表現したらよいのか分からないのですが...。

  何より驚いたのは、ダンボールを楽器に手の甲・掌・爪・指などを巧みに使った「ダンボール・パーカッション」です。最初はボンゴの演奏のようなものを想像していたのですが、シンセサイザーでも使っているのではないかと思うほど、複雑に調和したリズムを奏でるのです。例えが適当かどうか分かりませんが、昔、シャーマンがある種のトランス状態に入り神と交信するために使った音楽はきっとこのようなものではないかと思いました。

  勝手な見解ですが、剛志さんの音楽は宇宙が本来持っているリズムで、そこには表層意識的な恣意性が感じられず、故に聴衆の魂に直接響くのではないでしょうか。お客さんの拍手も拍手の質が違うのです。それはその後行われた会議における形式的な拍手とは明らかに違うものがありました。

  拍手といえば、剛志さんのご尊父によると、剛志さんは各地を回って音楽を披露するようになり、聴衆から拍手をもらう様になってから病気をしなくなったのだそうです。恐らく剛志さんの音楽が聞く人の魂を揺さぶり、それが拍手に乗って剛志さんに伝わったからではないでしょうか。剛志さんとお客さんの波動がお互いに干渉しあい、人を幸福にする気の調和した状態を剛志さんの音楽が作り出しているのだろうと感じました。

  そう考えると、音楽とは人が言語を獲得する前から持っていたコミュニケーション、それは人と人だけでなく自然や宇宙も含む、人間の根源的なコミュニケーション手段だったのではないかと思えてきます。だからこそ、世界中で宗教と音楽とは不可分のものなのでしょう。そして、人が生まれ最初に獲得する一番身近な音楽のひとつが「拍手」なのではないでしょうか。

  人は言語を獲得することにより文明を高度に発達させてきました。しかし、その代償として抑圧した能力もあるのだと思います。確かに我々の社会的枠組みでは、剛志さんは障害を持っていると見なされます。しかし、剛志さんはその代わり我々が抑圧してしまっている能力を高度に発達させています。その意味においては、我々の方がむしろハンディを負っているとさえ言えると思います。まして、我々は眼が見えていながら、さまざまな先入観や偏見によって見えていないということがあり、聞こえているようで聞こえていないということがしばしばあります。それよりは心澄まし「あるがままに感じ」ている剛志さんの方がはるかに貴い領域に達しているのではないかと思うのです。

  「感じる」ことの大切さと難しさを教わった気がしました。

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満田政巨さん

2009年02月16日 | 講演メモ
先日、福島県会津若松市の会津天宝醸造株式会社にお邪魔し、工場見学と共に満田政巨会長よりお話を伺う機会がありました。

 会津天宝醸造さんは江戸時代から続く味噌屋さんですが、公式の創業年は当時の若松県より味噌株人の鑑札を受けた明治四年で、今年138年を数えます。

 大正時代に醤油醸造、昭和30年代に味噌漬け、昭和60年代に浅漬けと「醗酵」をキーに事業を展開し、「農工商消連携の経営」、すなわち農・工・商・消すべての利害関係者に喜んでもらえるシステムを構築することで持続可能で安全な食の供給を図る経営を提唱しておられます。これにより大量生産の大手メーカーと差別化を図り、価格競争に巻き込まれることのない事業を目指しているそうです。

 農工商消連携システムの具体例として、農に対しては漬物の材料である野菜の安定供給を目指し契約栽培農家からの調達を重視するのみならず、各種の技術指導を行うほか、収穫品については同一価格での全量取引を保証することで契約農家が豊作貧乏を憂えることなく安心して生産に取り組めるようにしています。

 工については平成11年にいち早くHACCP対応工場を建設し、近年喧しい「色の安全」確保に取り組み信頼を強化。その結果として商である大手商社や卸売業者と代理店契約を結ぶことに成功しています。

 消に対しては上記のような取り組みにより高品質かつ安全な商品を提供するほか、「ねぎ味噌」や農林水産省食品流通局長賞を受賞した「肉味噌」など現代の生活シーンに合った製品多角化を進めています。さらには1300年もの間、日本人の食生活に密接に関わってきた味噌の効用や使い方のバリエーションなどを紹介し、味噌を見直す運動、「みそ健康づくり委員会」を展開しており、現在では味噌のみならず日本人の食文化、すなわち「和食」を軸にした「食育」にまで発展させています。

 このほか近年では、地場の農業振興と環境に配慮した循環型農業推進を掲げ、漬物の製造過程で発生する野菜屑を地元の「会津地鶏」の飼料や堆肥用原料として活用するほか、同じく工場の排水施設で発生する余剰汚泥も全量肥料原料として活用しています。のみならず、そうして育てた会津地鶏と味噌を組み合わせた新たな商品開発や事情開拓を行うなど、農業の振興だけでなくその出口開拓にも力を入れておられるようです。

 満田会長のお話を伺って特に感心したのは、常に自分の立ち位置を見極められておられるということ、そして本業をより深いレベルで理解し、そこから自社の使命を導き出しておられるということです。すなわち、大手と同じ競争をしては勝てないのだから自社の強みとなる部分に全力を集中すること、さらに「味噌」のもつ意味、価値を深く追求し、それを伝えるだけでなく社会に浸透させる使命を自らに課している、この2点が大変勉強になりました。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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三橋貴明さん

2008年11月28日 | 講演メモ
 先日縁あって中小企業診断士兼作家の三橋貴明さんとお会いする機会がありました。この日は数人で呑みながら主に経済談義に花を咲かせていたのですが(僕は難しいことが分からないので専ら聞き役)、「何とまあ頭の良い人だろう」というのが僕の三橋さんに対する印象です。凄い人でした。

 どう凄いのかと言われても説明するのが難しいのですが、ウィットに富んだ語り口もさることながら、現象をあるがままに捉えて冷静に分析する姿勢には舌を巻きました。例えば現実に起きた経済現象が経済学における通説と異なっていた場合(ままあることなのですが)、なまじ知識があるためにそれがバイアスとなり通説に現象を無理やり当てはめて考えようとしがちですが、三橋さんのお話はそういうところが全く見られません。通説で現実が説明できなければ通説の方が間違っているのではないか、という当たり前の様に思えるけれどもなかなかできない思考態度に感心させられました。

 お会いしたあと三橋さんの御著書『ドル崩壊』を拝読しましたが、今回のサブプライム問題(この10年で起きた世界金融の問題)の構造が素人にも分かりやすく書かれています。この本が出版されたのは2008年9月であるにもかかわらず、御著書の中でも既に表面化していた数字や断片的な情報を具に分析して現在大騒ぎになっている諸問題を見事に予言しています。

ドル崩壊!
三橋 貴明
彩図社

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渡邉美樹さん

2008年11月26日 | 講演メモ
  今日はワタミ株式会社社長、渡邉美樹さんのお話を聴く機会がありました。軽妙洒脱な話術、しかし体の中から迸るような情熱に1時間45分という時間があっという間に過ぎてゆきました。

  既によく知られた話だとは思うのですが、渡邉さんは10歳の夏に母親を亡くし、ついで秋には父親の経営していた会社が清算され、それは赤貧を極めたそうですが、その時将来社長になることを決意したのだそうです。32歳で「和民」を立ち上げ、以来「世界中のありがとうを集めたい」ということで外食産業から学園事業、介護事業、農業、発展途上国の学校設立支援、孤児院経営など幅広く活躍しておられます。

  この日は前半を前述のカンボジアにおける学校設立支援から孤児院運営い至るまでのお話をDVDを交えながらいただき、後半は「百年先を見据えて私の経営」と題して事業を行う根本の心構えやビジョンの描き方などをお話いただきました。ここでは講演の中でいくつか心に残ったことを4つのテーマに分類してご紹介したいと思います。

1.生きる姿勢について

・「いかなることもカラーで描けるほどはっきりとイメージし、それを自分の潜在意識に叩き込む」
・「仕事においては100年先であっても価値を持ち続けているもの、影響を及ぼしているものだけが本物。本物を追究する」
・「同様に個人の人生においては自分の葬式から逆算する。葬式のとき参列者の記憶に残る自分とはどういうものか」

2.理念について

・「らしさ」が全ての価値の基準
・「俺が俺であることは俺が吸っている空気よりも大切」(誰かの言葉らしいです)
・「ワタミらしさ」を考えるためのエリアマネージャーミーティングを3ヶ月に1回行う
・「理念を社員が自分のものにしたとき、理念は本物になる」

3.仕事の原則について

・「経営はできないことをできるようにすれば当たる」
・「方法は無限大、あきらめない」
・「心から好きで仕事をする」

4.リーダーについて
・「会社は(大小にかかわらず)99%トップで決まる」
・「悪いオーケストラなどない、悪い指揮者がいるだけだ」(マーラーという指揮者の言葉らしいです)

  目の前のつまらないことにとらわれず、文字通り100年のスパンで価値あると信じるものを徹底して追求する。「徹底」というところが要諦でしょう。機会があればご紹介したいと思いますが、以前お話を聴いた塩沼亮潤さんと雰囲気は全然違うものの共通するものを感じます。聴いている僕も影響されて情熱が湧きおこる、そんなお話でした。

渡邉美樹のシゴト進化論
渡邉 美樹
日経BP社

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中竹竜二監督

2007年12月16日 | 講演メモ
 12月15日23:00、NHK BS1『スポーツ大陸』は早稲田大学ラグビー蹴球部の特集でした。昨年から同ラグビー部の監督をしている中竹竜二監督と僕は年齢も同じで、同学年。勿論面識はありませんが、学生最後の96年シーズンの主将が中竹監督で、早明戦および大学選手権決勝での認定トライによる敗北は今でも忘れられません。

 その後書籍や雑誌等で監督の考え方や人柄に共感と尊敬の念を持っていましたが、昨年より清宮克幸前監督の後を引き継いで監督に就任されてから特に注目していました。とりわけ最初のシーズンであった昨年、同志社大学以来の大学選手権三連覇という大きな期待を背負った中で関東学院大学に決勝で敗れ、僕の知る限りネット上などでも随分と非難の声が聞かれていましたが、そんな中で敢えて反論するでも言い訳するでもなくほとんど沈黙しながらこの1年やってこられたのには同い年であるだけに一層敬服します。今日から大学選手権が始まりますが、頑張って欲しいと思います。

 中竹監督の「強いリーダーシップではなく強いフォロワーシップを持った組織が本当に強いのだ」という考えは全く賛成です。僕も「いるんだかいないんだか分からないけど組織が上手く回っている」と思ってもらえるようなリーダー像が理想だと考えてきました。しかし中竹監督が本当に立派だと思うのは、そういう組織を作るため、自ら考えられるフォロワーを作るための我慢が実際にできるリーダーであるということです。その点で僕などはまだ全く理想と対極にいます。結果を急ぐあまりあれこれ世話を焼きすぎる、より良い結果を生むため短期的な非効率にはもっと寛容にならなければと思います。

オールアウト―1996年度早稲田大学ラグビー蹴球部中竹組
時見 宗和
スキージャーナル

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白石康次郎さん(横浜商工会議所展示会で)

2007年11月24日 | 講演メモ
 11月19日、貿易センタービルで横浜商工会議所主催の環境をテーマにした展示会があり、当社もCO2発生抑制効果に大変優れている故繊維を原料としたウエス、軍手、油吸着マットの展示を行い地元企業の皆様にご好評いただきました。

 しかしこの日最大の収穫は何と言っても海洋冒険家白石康次郎さんの講演を拝聴できたことです。本当に心に残るお話がいくつもありメモを失くしてしまったことが何とももったいないのですが、それでも特に強く心に残ったことが2つあります。

 一つは偉大な成功はまさに小さな一歩を積み重ねた結果であるということ。例えば白石さんの恩師である故多田雄幸氏との出会いにしてもそうです。本で知っているだけの会ったこともない人に電話帳を調べて訪ねて行き弟子入りを志願する、こんな型破りなことを実際にできる(そもそもそうしようと思う)人がどれだけいるでしょうか。それだけではなく白石さんがお金も人脈も知名度も経験もない(海外では言葉も通じない)ところから最年少単独世界一周を成し遂げるまでに至る行動はそのような破天荒だが驚くべき行動の連続なのです。「金がない、経験がない、人脈もない」と躊躇するのが凡人、「ないからどうする」と行動をおこせる人が偉大な人物、凡人と偉人を分けるものはまさにその点においてと言えるのではないかと感じました。人間「夢」が大切なのではない、「夢」のために「地道で誰でもできそうだが誰もが躊躇するか見過ごす」行動を起こし、積み重ねることが大切なのではないでしょうか。

 二つ目は「迷ったら頭で考えてはいけない、欲が全ての判断を誤らせる」ということです。欲といっても色々ありますし、聖人でない我々は全ての欲を取り去ることなど到底できないことだと思いますが、唯一信じるに足る「欲」とは「どれだけ時間が経過しても変わることなく心の底から湧きあがってくる欲」、白石さんで言えば「船で(自分の力で)世界を見てみたい」という「欲」ではないでしょうか。僕も思うだけで長続きしない「欲」はたくさんあります。しかしそんな中でも変わることなく「何の役に立つとも思えないけれども、冷めることのない欲求」というのはあります。それに素直に耳を傾けることが自ずとその人にとって最良の人生を切り開くのではないかと感じました。本物の欲は状況がいかに変わろうとも失われることがない欲ということができます。そうでない欲が何故判断を誤らせるかと言えば、「失われる恐怖を生み、執着するから」ではないかと思います。例えば物欲、金銭欲などがそういうものと言えるでしょう。

 これら白石さんのお話を通じて非常に勇気づけられました。僕の会社は小さな会社ではありますが、それでも大海原に浮かぶ60フィートのヨットに比べれば大きい船ということができますし、白石さんは船の中ではまさしく孤独ですが、いくら「経営者は孤独」とはいえ会社には何十人もの社員がいる訳で、はるかに心強いことです。さらにヨットレースは孤独のうちに命を失う危険がありますが、会社は仮に潰れて破産したって命までとられるわけではありません。胆を据え、心の底から湧きあがってくる欲を信じて行動を起こすこと。それ以外の欲に由来する不安や恐怖はかえってそれらを増大させる結果を生むのだと思いました。

人生で大切なことは海の上で学んだ
白石 康次郎
大和書房

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