デザイナーの河野史明さんのお誘いで、河野さんも参加されているTerrace合同会社の設立パーティに行ってきました(写真は休憩中のものです)。
Terrace合同会社とは、企業人、学生、デザイナー、学者、ボランティア等有志で設立された、恐らく日本初のBOPビジネス特化型の会社だそうです。
はじめに発起人の阿部吉雄さんよりお話がありました。阿部さんは、トライパウダーという雑菌を吸着することで水を浄化するパウダーをカンボジアで販売されているそうです。
2010年6月、東京ミッドタウンで開催された「世界を変えるデザイン展」で日本の潜在力、すなわち人そのものや技術をもっと世界の為に発揮できるのではないかと感じ、それにはBOPビジネスこそ最適ということで、Terrace合同会社の発想に繋がったのだとか。
BOPとは"Base of the Pyramid"、つまり、世界の最貧困層を指す言葉で、この層を対象としたビジネスのことをいいます。しかしながら、これまでのような収奪型のビジネスではなく、企業の利益を追求しつつ、彼らの生活水準向上にも寄与できるビジネスモデルが求められます。
後の講演で北海大学の菅原秀幸先生がおっしゃっていたことですが、日本の中小企業は、
・(大企業と比較して)意思決定が早い
・(日本は諸外国と比較して)階級や差別意識の少ない国
という特性を持っており、このことが小さく分散したBOPマーケットに適応するには最適なのだそうです。
つづいて代表の別所拓也さんよりお話。別所さんはまだ学生さんだそうです。本当に役立つモノづくりとは、物事を解決することと捉え、人の役に立つモノづくり、仕組みづくりを考えていく延長線上でTerrace合同会社の設立に至ったとお話されていました。
因みに、副代表の川勝小遥さんも東京造形大学に入学したばかりの学生さんだそうです。自分が18、19の頃など、本当にただの幼稚な子供だったので、あまりの違いにただ脱帽するばかりです。
後の講演でハーズ実験デザイン研究所、京都造形大学教授の村田智明さんも、「デザインとは政治であり、未来を見据えビジョンを描くことである」とおっしゃっていましたが、そう考えると、ウエスや軍手を作るリサイクル屋の私も決してデザインとは無縁でないのだと思いました。
Terrace合同会社がBOPビジネスで提案する製品は「無電極ランプ」という、フィラメントのない高周波で発光する、低コストかつ環境配慮型の電球、商品名は「Poh!」といいます。
デザイナーの河野史明さんによると、この無電極ランプは水銀灯と比べ、5倍以上の超寿命、消費電力は半分以下、水銀含有量1/5、0.001秒以下という素早い点灯時間、ちらつきが少なく目に優しいなどの特徴があるそうです。これらの特性により、電力供給の不安定な途上国には最適なのだそうです。
詳しくは、河野さんのブログをご参照ください。
こういうお話は拝聴するだけでも、心が踊躍します。Terrace合同会社の今後のご活躍をお祈り申しあげます。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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