窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

横浜最後の漁港と地あなご料理ーかりんの木

2017年06月24日 | 食べ歩きデータベース


  横浜市金沢区福浦にある弊社工場の近くには、柴漁港と金沢漁港という横浜で最後に残った漁港があります。僕が子供の頃、この辺は「小柴の蝦蛄」と呼ばれるシャコの産地として有名でした。時々、早朝に柴漁港へ行き水揚げされたばかりの生きたシャコを買いに行った思い出があります。

  しかし、そのシャコも1990年代に入ってから漁獲量が激減。2007年以降、水産資源保護を理由に禁漁となってしまったそうです。現在、柴・金沢両漁港で一番水揚げが多いのが、今回のテーマ「穴子」です。



  訪れた地あなご料理の専門店「かりんの木」さんは、人工海水浴場「海の公園」側の住宅地にあります。目立った看板もなく、店は周辺と同じ普通の住宅なので、今回紹介してくれた当社の社員もよく見つけたなと思います。僕など、番地の出ている家から件数を数えてようやく探し当てるという有様でした。

  お店の人によると、営業を始めてもう10年になるそうです。冒頭の写真がその穴子ですが、写真左から骨せんべい、天ぷら、蒲焼き、白焼きになります。柴漁港の金亀丸から提供されるという獲れたての穴子は、身がふっくらと柔らかく、独特の臭みもありません。

  僕などは正直に言って、鰻と比べて固い身と臭みから、特に白焼きがあまり好きではなかったのですが、こちらのそれは全く別物でした。梅肉とわさびでいただく白焼きは、あまりの柔らかさに思わずうなるほどです。天ぷらは抹茶塩でいただきます。



  蒲焼はそのままでも勿論ですが、ご飯にのせ、たれと山椒で穴子丼にします。その美味しさは天然鰻にもひけをとりません。



  もうひとつ。このお店はジンギスカンも名物だとか。こちらも臭みのない柔らかい羊肉でした(個人的には羊肉の臭みが好きなのですが、最近そうした肉に出会わなくなりました)。



  知らないとこんなところにお店があるとはよもや思わない場所。隠れ家的というより本当に隠れているお店でした。しかしそこには、横浜で生まれ育ちながら知らなかった、絶品の江戸前穴子の世界がありました。

かりんの木



神奈川県横浜市金沢区海の公園7-11



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
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