窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

御錦天-上海・中華料理

2020年01月07日 | 食べ歩きデータベース


  11月25日、中国出張で上海・外灘(バンド)に残る古い西洋建築に入っている、お洒落な中華レストラン、御錦天へ行ってきました。外灘は19世紀後半から20世紀前半にかけて上海租界のあった地区で、今でも当時の西洋式高層建築が建ち並ぶ、上海随一の観光名所です。

  上海租界というと思い出すのが、子供のころプレイしたボードゲーム、「上海トレーダー」(1988年発売)。



  これです!30年ぶりに屋根裏から引っ張り出してきました。どういうゲームかというと、恐らく19世紀末~1930年代頃の上海租界を舞台に、プレイヤーがそれぞれ列強(英・米・仏・露・独・日)の商人となり、あの手この手の悪どい手を駆使して金を儲け、革命軍がやってくる前に金を持って飛行場から脱出するというゲームです。

  上海にドイツ租界はない(日・露は共同租界)とか、ロシア帝国とナチス・ドイツは時期的に重なっていないとか、星条旗の星が50ある(1930年代でも48州)とか、上海租界は日本の敗戦と同時に消滅したのであって、革命軍に制圧されたのではないとか、突っ込みどころは当時から色々あったのですが、それはともかく、今ではちょっと考えられないようなゲームでした。



  最初のお酒は、上海老酒「石庫門12年」。紹興酒と比べ、酸味や紹興酒独特の臭みがなく、すっきりと飲みやすいお酒でした。因みに、紹興酒は紹興市で造られた、もち米と麦麹を原料とした黄酒(老酒とは長期熟成させた酒のこと)を言うので、これは紹興酒ではありません。原料は、糯米・麦麹・ハチミツ・クコ・干梅で、12.5度。上海に唯一残る酒蔵、「上海金鳳酒分股份有限公司」のお酒です。因みに銘柄の「石庫門」とは、19世紀後半から見られる、上海の中洋折衷型の伝統的建築様式を言います。去年3月に、その石庫門建築である「中国共産党第一次全国代表大会会址」の前を通りました。



  さて、料理は現代風の中華というか、どれも洗練されたものばかりでした。こちらは、牛の尻尾の部分です。



  大好物の蒸し鶏。少し黄酒に漬けてあるような色をしていますね。



  ゆり根。蒸したゆり根をはちみつにつけて食べるという、初めて経験する食べ方でした。美味しかったです。



  焼き豚なのですが、中に卵の黄身が詰まっています。これが何と絶妙の相性で、焼き豚に素晴らしく深いコクが出るのです。焼き豚と卵の相性がこんなに良いとは思いませんでした。



  豚の角煮。たくさん食べられるのが嬉しい。



  マッシュルーム炒め。



  2本目は日本でもよく見かける銘柄、古越龍山の「古越龍山20年 紹興花彫酒」。



  何の魚か分かりませんが(聞いても中国名ではなお分かりません)、アジアでは良く見かける魚の醤油蒸し。



  鶏の足。これはいつも人の手みたいに見えるので、苦手です。



  いわゆる上海蟹(中国藻屑蟹、中国では大閘蟹)。上海蟹は雄と雌で一番美味しいシーズンが異なり、10月ごろは雌、11月頃は雄と言われています。11月25日でしたが、こちらは雌。それでも卵を抱き、味噌も脂肪もたっぷりで美味しかったです。因みに、中国藻屑蟹は侵略外来種100種の内の一つで、欧米では問題になっているのだとか。食べちゃえばいいのに…。



  燕の巣と白木耳のスープ。酒飲みが言うのも何ですが、白木耳はシロキクラゲは、血中や肝臓のコレステロールを低下させる効果が高いのだそうです。中国では不老長寿の薬なのだとか。



  最後は、ほっと安心、青梗菜。


御錦天


上海市黄浦区中山东一路6号外滩6号3楼A座

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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