先日、「徳育セミナー」という講演で、建長寺宗務総長、高田正俊さんのご講演を拝聴する機会がありました。その中で、こんなお話がありました。
ある時、高田さんがたまたま乗ったタクシーで運転手と会話になりました。その運転手さんは多分相手がお坊さんと言うこともあったのでしょう、「子供の頃可愛がってくれた祖父が認知症になってしまった。今こうして大人になり、やっと恩返しができると思ったのに、自分のことが分からない状態ではそれも叶わない」と苦しい胸の内を明かされたそうです。
その後、会話のやり取りが続き、運転手さんが最終的に辿り着いた結論は、「祖父に対する感謝を祖父の代わりに周りの人に返そう」ということだったそうです。
このお話を伺って思い出したのが、「ペイ・フォワード」という映画。11歳の主人公トレバーが、社会科の授業で与えられた「世界を変えたいと思ったら、何をする」という課題に対し、「他人から受けた好意をその人に返すのではなく、別の3人の人へ贈っていく」というアイデアを思いつき、実行していきます。様々な障害に悩みながらも事態は思わぬ方向へと進み、やがて多くの人へ影響を与えていきます。
振り返ってみれば、僕も思い出すことがあります。貧乏学生時代、稽古が終わると先輩が良く食事に連れて行ってくれました。その時先輩から受けた教えが「俺に礼をいう必要はない、感謝の気持ちはこれから入ってくる後輩たちに返してやれ」というものでした。部活動であれ、会社であれ、恐らく多くの方に同じような経験があるのではないでしょうか?
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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ある時、高田さんがたまたま乗ったタクシーで運転手と会話になりました。その運転手さんは多分相手がお坊さんと言うこともあったのでしょう、「子供の頃可愛がってくれた祖父が認知症になってしまった。今こうして大人になり、やっと恩返しができると思ったのに、自分のことが分からない状態ではそれも叶わない」と苦しい胸の内を明かされたそうです。
その後、会話のやり取りが続き、運転手さんが最終的に辿り着いた結論は、「祖父に対する感謝を祖父の代わりに周りの人に返そう」ということだったそうです。
このお話を伺って思い出したのが、「ペイ・フォワード」という映画。11歳の主人公トレバーが、社会科の授業で与えられた「世界を変えたいと思ったら、何をする」という課題に対し、「他人から受けた好意をその人に返すのではなく、別の3人の人へ贈っていく」というアイデアを思いつき、実行していきます。様々な障害に悩みながらも事態は思わぬ方向へと進み、やがて多くの人へ影響を与えていきます。
振り返ってみれば、僕も思い出すことがあります。貧乏学生時代、稽古が終わると先輩が良く食事に連れて行ってくれました。その時先輩から受けた教えが「俺に礼をいう必要はない、感謝の気持ちはこれから入ってくる後輩たちに返してやれ」というものでした。部活動であれ、会社であれ、恐らく多くの方に同じような経験があるのではないでしょうか?
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繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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