窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第4回燮読書会に参加しました

2022年06月09日 | 交渉アナリスト関係


 6月7日、第4回燮読書会に参加しました。前回に引き続き、ロジャー・ドーソン著、『本物の交渉術 あなたのビジネスを動かす「パワー・ネゴシエーション」』(KADOKAWA、2021年)より、第26~40章、第45~61章が対象でした。



26.相手に先に提示してもらう方が有利になる
27.間抜けを演じるのは賢い
28.契約書は相手に書かせない
29.契約書は毎回読む
30.ファニーマネー(パーセンテージや月額など)ではなく、リアルマネー(総額)で考えよう。
31.人は印刷文字で見ると信じてしまうので、物事を文書化しよう
32.論点に集中しよう
33.常に相手を祝福しよう
34.タイム・プレッシャーの効力を知ろう
35.情報は力である
36.立ち去る準備をする
37.さもなくば立ち去るぞ、ではない。
38.フェエタ・コンプリ(既成事実化)
39.ホットポテト(責任転嫁)
40.最後通告
45.ボディランゲージ
46.会話に隠された意味
47.パワーネゴシエーターの個人的特性
48.心構え
49.信念
50.正統パワー
51.報酬パワー
52.強制パワー
53.畏敬パワー
54.カリスマ・パワー
55.エキスパート・パワー
56.シチュエーション・パワー
57.情報パワー
58.パワーの組み合わせ
59.その他のパワーの形
60.交渉の原動力
61.相互利益の交渉術



 今回は結構なボリュームがありましたが、いつもファシリテータの波戸岡さんがサマリーを作成してくださるので、忙しくて読めなかった方、極端な話、本をお持ちでない方でもお気軽にご参加いただけます。また、ディスカッションは1回完結ですので、出席できなかった回があったとしても大丈夫です。

 今回もサマリーを確認した後、グループアウトセッションを行いました。前回同様、同じ本を読んでいるにも拘らず、グループごとの着眼点が驚くほど違いました。その結果、各グループのご意見を合わせると、自分だけでは得られなかった非常に多角的な視点、知見が得られます。それが読書会の良いところですね。

※アジア人は名刺など肩書を重視すると言われているが、重きを置くポイントが異なるだけで、西洋社会でも肩書を重視するのは同じではないのか?
※本書が書かれたのがかなり前なので、交渉スタイルなど変わってきているものもあるのでは?
※契約書が大事というのは本書の通り。一方で、意外と契約書に無頓着な人が多いという印象もある。
※タイムプレッシャーの話は得心する。
※相手が望んでいるものをどうすれば分かるのか?実務の課題として持っている。
※理論が言うように、条件は先に提示してもらうのが良いのか?(本書では後が良いと述べている)
※立ち去る準備、その根拠を持っているのは強い。
※相手に勝ったと思っていただくのは大事。



 続いて今回の範囲に関連する交渉理論面の補足を行いました。今回のトピックは、

・オファーは先か後か?
・交渉と文化
・交渉とパワー

 特に、交渉に対する文化の影響について考えた時、様々な実験結果から分かることは、交渉理論そのものも主としてアメリカ文化の影響を多分に受けたものであるということでした。だからと言って理論が我々日本人にとって無意味ということではありませんが、(特に認知心理学系、言語/非言語コミュニケーション系については)普遍性が確かめられていない可能性が十分にあるということを弁えた上で、過度な一般化に注意するという姿勢は必要なことかと思います。

 第5回は2022年8月開催予定です。

<新刊本のご紹介>


繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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