「伊庭靖子展」 BASE GALLERY

BASE GALLERY中央区日本橋茅場町1-1-6
「伊庭靖子展」
5/19-6/28



一度、個展を拝見してみたいと思っていたので良い機会になりました。昨年の椿会(資生堂ギャラリー)でも印象深かった伊庭靖子の新作個展です。柔らかな光に包まれたクッションカバーが、限りなく実在に近づきながら夢見心地の世界を作り上げています。

色や形が光を浴びて呼吸しているとも言えるのではないでしょうか。一見、非常にリアルで精巧に描かれたリネンや陶器などが、実は素材感や色彩に独特のブレのある、どこか感覚的で朧げなモノの幻影のように示されています。また例えば空気を大きく吸い込んだクッションの膨らみなどはもとより、光の陰影に包まれたカバーの折り目、もしくはシワのゆがみなど、思わず手触りして確かめたくなるような質感は大変に魅力的です。伊庭の白は稀な清潔感が感じられます。事物のまわりの空気は限りなく透き通っているようです。

今月28日までの開催です。
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