「Landschaft IV」 ラディウム

ラディウム-レントゲンヴェルケ中央区日本橋馬喰町2-5-17
「Landschaft IV」
6/6-28



「風景」をテーマとした贅沢なグループショーです。お馴染みの内海聖史、桑島秀樹、山本基に加え、同画廊初登場となるプロモデラー、水野シゲユキらの名前が挙がっていました。

内海の色がレントゲンにこれほど揃うのは、かつて六本木で行われた「三千世界」以来のことではないでしょうか。一階スペースにある冒頭二点の「色彩の下」は、細やかなドットがそれぞれ濃密かつ自由に運動した、色を操る彼ならではの魅力に溢れた作品です。とりわけ印象的なのは、画面上に緩やかな余白をとり、ドットが広がっては消えゆくかのようにパラパラと散る一枚でした。二階の数点のドット同様、最近特にその一点一点に重みと逞しさを感じる内海の、どこか軽妙で良い意味での力の抜けた作品だと思います。

これが同じ作家とは思えません。前回の個展にて、かの深淵でモノトーンなガラスの神殿を見せた桑島が、こんどは何ともカラフルなオモチャでシンメトリーな大魔宮を作り上げています。この均整ながらも、複雑怪奇なオモチャの建造物は、きっと内部に入り込めばもう二度と出て来れないワンダーランドに相違ありません。またその圧倒的な世界観を支える、殆ど奇妙なほどにポップな素材と色とのギャップも面白い作品です。

ワンダーランドといえば、山本基のズバリ「迷宮」も忘れられない一枚です。白く輝かしい面に、これまた迷路のような紋様が再現なく繰り返し続いていますが、その仄かに凹凸を見せる素材を知ってさらに驚かされました。これは是非、会場でご確認ください。

レントゲンに新しい風を吹き込むことになるのでしょうか。初登場の水野シゲユキの戦車のジオラマにも唸らされるものがあります。椅子ががれきに埋もれ、キャタピラも熱で変形したようにひん曲がっていました。この『破壊』に見る高いクオリティーは素直に痛快です。

今月28日までの開催です。
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