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「青秀祐 マルチロール・ファイター」 eitoeiko

eitoeiko
「青秀祐 マルチロール・ファイター」
11/12-12/10



eitoeikoで開催中の青秀祐個展、「マルチロール・ファイター」へ行ってきました。

突然ですが、和紙の戦闘機の模型と聞いてどのような姿を思い浮べるでしょうか。



ずばりその一つの答えとなるのが、今回の青秀祐の個展です。青は多摩美術大学で日本画を専攻した画家ですが、かねてよりこのような戦闘機をテーマとした作品を手がけてきました。



タイトルのマルチロール・ファイターとは「多用途戦闘機」を意味します。和紙でモックアップされた戦闘機はいずれも実在のモデルをそのまま写したのではなく、限りなく実機の様式に則りながら、青の独自のデザインで作り上げました。



青の制作で非常に興味深いのは、立体の戦闘機を平面、いわば図面のような段階で提示しているところです。



ちょうど紙飛行機が一枚の紙によって出来ているのと同様、青は紙飛行機の「開き」の状態にして一枚の紙に表していました。

ここに航空機は一つのデザイン、また絵画表現として置き換わります。それに紙による立体の戦闘機を開いて吊るすという発想自体もまた斬新でした。



そして青は戦闘機の各パーツをさらに分解、細かく分けて平面に起こしています。



このずらりと並ぶ作品も、青が制作した戦闘機のパーツです。目を凝らしてみると実際の戦闘機のデザインに似たものもあります。それを探してみるのも楽しいのではないでしょうか。



和紙という素材自体にも注目すべきものがあるかもしれません。和紙は普通の紙飛行機に比べ、滞空時間がかなり長いのだそうです。実際に飛ばしてみましたが、確かにふわりと宙を舞いました。

父親が元自衛官のパイロット、そして青自身も幼い時に百里基地近くに住んでいた経験があるそうです。まさにそうした環境が青の制作の背景になっているのかもしれません。



戦闘機ということで、軍事系の専門誌にもいくつか取り上げられたそうです。下のJウィング誌には青秀祐のインタビュー記事が掲載されていました。

「J Wings 2011年04月号/イカロス出版」

12月10日まで開催されています。

「青秀祐 マルチロール・ファイター」 eitoeiko
会期:11月12日(土)~12月10日(土)
休廊:月・火
時間:12:00~19:00
住所:新宿区矢来町32-2
交通:東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩5分、都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅より徒歩10分。
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