都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「イグノア・ユア・パースペクティブ14 四角と不条理」 児玉画廊東京
児玉画廊東京
「イグノア・ユア・パースペクティブ14 四角と不条理」
5/26-6/30

児玉画廊東京で開催中の「イグノア・ユア・パースペクティブ14 四角と不条理」へ行って来ました。
「画廊の視点から作家や作品を選定し、それぞれの作家の個展で作品を見る時とまた一味違った魅力を提示する」(リリースより引用)という「イグノア・ユア・パースペクティブ」展。
いわゆる画廊のコレクション展と捉えて差し支えないのかもしれませんが、個々の作品はもとより、全体として見てもなかなか切れ味鋭い企画となっています。
出品作家は以下の通りです。
貴志真生也/久保ガエタン/杉本圭助/関口正浩/竹村文宏/田中秀和/中村土光/馬場佳那子/盛井咲良/八木修平/和田真由子
さて私としては、かつてこの画廊の個展で強く惹かれた貴志真生也の立体、またタペストリーを見られたのも嬉しいポイントでしたが、今回、何よりも面白かったのは2台の扇風機を用いた作品、すなわち久保ガエタンの「You and I」でした。
おもむろに登場する扇風機、それぞれが向かい合うようにして床面に置かれていますが、ともに羽は回転し、一台は首を振りながら、ようは風を互いに送り続けていることが分かります。
そして扇風機からのびるコード、当然ながら二つともコンセントに繋がっていると思い、その先を見やりました。
すると片方の扇風機だけしかコンセントに接続されていないではありませんか。
コンセントに接続された扇風機は当然ながら電気の力によって風を送っているわけですが、もう一方はあくまでもそれを受けているだけなのです。
とすると受け手は送り手の扇風機の風を受けて羽を回している、いや回されていることになります。
ここまでは何となくピンとくるわけですが、もう一つ、謎めいていることがあるのが、この作品の最も面白い部分かもしれません。
ようは風の受け手の扇風機だけが首振り状態になって首を左右に動かして回っているのです。
もちろんこれは扇風機の構造を利用した故の物理的な結果に過ぎませんが、一瞬、奇妙で未知の超常な現象にでも立ちあっている気持ちにさせられます。
扇風機のみを素材にしたシンプルな作品にも関わらず、さながら狐が何かも化かすような仕掛け、そしてイメージ、とても魅力的だと感心しました。
なお本展出品の貴志真生也は、夏に大阪の国立国際美術館で開催される「リアル・ジャパネスク:世界の中の日本現代美術」に参加します。
「リアル・ジャパネスク:世界の中の日本現代美術」(PDF)@国立国際美術館 2012年7月10日(火)~9月30日(日)
6月30日までの開催です。
「イグノア・ユア・パースペクティブ14 四角と不条理」 児玉画廊 東京
会期:5月26日(土)~6月30日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅3番出口より徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩15分。
「イグノア・ユア・パースペクティブ14 四角と不条理」
5/26-6/30

児玉画廊東京で開催中の「イグノア・ユア・パースペクティブ14 四角と不条理」へ行って来ました。
「画廊の視点から作家や作品を選定し、それぞれの作家の個展で作品を見る時とまた一味違った魅力を提示する」(リリースより引用)という「イグノア・ユア・パースペクティブ」展。
いわゆる画廊のコレクション展と捉えて差し支えないのかもしれませんが、個々の作品はもとより、全体として見てもなかなか切れ味鋭い企画となっています。
出品作家は以下の通りです。
貴志真生也/久保ガエタン/杉本圭助/関口正浩/竹村文宏/田中秀和/中村土光/馬場佳那子/盛井咲良/八木修平/和田真由子
さて私としては、かつてこの画廊の個展で強く惹かれた貴志真生也の立体、またタペストリーを見られたのも嬉しいポイントでしたが、今回、何よりも面白かったのは2台の扇風機を用いた作品、すなわち久保ガエタンの「You and I」でした。
おもむろに登場する扇風機、それぞれが向かい合うようにして床面に置かれていますが、ともに羽は回転し、一台は首を振りながら、ようは風を互いに送り続けていることが分かります。
そして扇風機からのびるコード、当然ながら二つともコンセントに繋がっていると思い、その先を見やりました。
すると片方の扇風機だけしかコンセントに接続されていないではありませんか。
コンセントに接続された扇風機は当然ながら電気の力によって風を送っているわけですが、もう一方はあくまでもそれを受けているだけなのです。
とすると受け手は送り手の扇風機の風を受けて羽を回している、いや回されていることになります。
ここまでは何となくピンとくるわけですが、もう一つ、謎めいていることがあるのが、この作品の最も面白い部分かもしれません。
ようは風の受け手の扇風機だけが首振り状態になって首を左右に動かして回っているのです。
もちろんこれは扇風機の構造を利用した故の物理的な結果に過ぎませんが、一瞬、奇妙で未知の超常な現象にでも立ちあっている気持ちにさせられます。
扇風機のみを素材にしたシンプルな作品にも関わらず、さながら狐が何かも化かすような仕掛け、そしてイメージ、とても魅力的だと感心しました。
なお本展出品の貴志真生也は、夏に大阪の国立国際美術館で開催される「リアル・ジャパネスク:世界の中の日本現代美術」に参加します。
「リアル・ジャパネスク:世界の中の日本現代美術」(PDF)@国立国際美術館 2012年7月10日(火)~9月30日(日)
6月30日までの開催です。
「イグノア・ユア・パースペクティブ14 四角と不条理」 児玉画廊 東京
会期:5月26日(土)~6月30日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅3番出口より徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩15分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )