都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「コメ展」 21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHT
「コメ展」
2/28-6/15
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/fb/c73467de4166c23361d536a4c56d67c8.jpg)
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「コメ展」を見て来ました。
日頃の食卓に欠かせないコメ。しかしコメの歴史やコメにまつわる文化とは何か。振り返れば、そもそも精米された米粒や茶碗のご飯以外のコメを知る機会は意外と少ないものでもあります。
デザインの観点からもコメを見据える。ディレクションはデザイナーの佐藤卓氏と人類学者の竹村真一氏です。21_21 DESIGN SIGHTならではの切り口でコメの様々な有り様を提示していました。
会場内は撮影が可能でした。(ツイッターでハッシュタグ#kometenとつけてつぶやくと、公式特設サイトに写真がアップされるそうです。)展示の様子を少しご紹介しましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/44/c8d8632f8db5b329c7ca5ee4b507c5b6.jpg)
まずエントランスから。床にごろりと転がるのはまさにコメ。籾に玄米に白米。但し360倍の姿です。ともかくも単に「粒」としてだけしか見ていないコメ。実はこんな形をしていた。特に籾です。拡大するとまるで何か未知の巨大生物のような出立ちでもあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/b9/3a5c353b046b6b98c9e6dae4cff35f4b.jpg)
階下へ進みましょう。「コメの景」です。ここではコメから広がる8つの景色を紹介する。例えば「コメと光」はどうでしょうか。一杯の茶碗に盛られるご飯の3000粒に光を照らす。明かりの灯るコメが如何に美しいことか。まるで宝石の如く青白い光を放っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/95/43df30ccff6d392453a50aa69c1ef51b.jpg)
そして驚くのがコメの上に置かれた一つの虫眼鏡。その先には何があるのだろう。目を近づけてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/c5/c52f8b8470fd8af8d80354d097efdbdf.jpg)
するとお寿司がある。何と米粒一つが一貫の握りです。マグロに海老にウニでしょうか。驚くほど細かさです。どうやって作ったのでしょうか。思わず息をのんでしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/35/5ed2d80a913d99b8ce2c20fef66d43c1.jpg)
さらにメインのフロアへ。ずらりと並ぶのはコメに関する様々な知識に道具、そしてデザインです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/4b/18abe767e4371369e7cffc39c5a46aec.jpg)
例えばしめ飾り。稲藁を編んでつくる。そういえば私もこれほど立派ではありませんが、今年の年始に玄関へ小さなしめかざりを飾ったことを思い出しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/af/432cfd099924a3ee985e44869e71d913.jpg)
コメの様々な入れ物を並べた「コメの計」も興味深いもの。一粒のコメからコメ1869粒の粟おこしへ。最後はコメ俵です。中には何と2608695粒入るのだとか。そういえばかつては「石」、ようはコメの収穫量で言わば国の富を表していたわけでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/71/9f4b811cd9ea5c413accb4c4175233e6.jpg)
一口にコメと言ってもたような品種がある。「たねとり田んぼ」です。種子でもあるコメを品種毎に並べている。千差万別です。コメの粒、種子へのこだわり。先人たちの品種改良への努力。そうしたものも伺い知れます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/75/cb174f87edfbc0efd5a7a6715ea4746b.jpg)
コメを掬うしゃもじ。また収穫の鎌しかり、コメには道具も欠かせません。「属人器」のコーナーではコメを扱う人が用いる様々な道具を紹介しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/75/205725376646f316aebb81f32017e90d.jpg)
インタラクティブな仕掛けも随所に置かれています。例えば収穫から精米の過程をハンドル操作で疑似体験する「働かざる者、食うべからず」。そしてご飯を焚く仕掛けを模した「はじめはちょろちょろ」と題した装置も。私も普段、ご飯は必ずガスの炎で焚きます。ここは勘を頼りにチャレンジしてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ee/08afd5ed569d17f5ea6062fe50da0f0f.jpg)
そちらかといえば私はこちらの方がお世話になっているかもしれません。「ジャパンブランド」です。壁面に無数に貼られたのは日本酒のラベル。それ自体が一つのデザインでもある。ラベルでお酒を買ってしまわないこともない。思わず地元千葉のお酒をラベルを探してしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/11/f361dfe5464a9f9c35f47ad5613a2032.jpg)
最後には一粒のコメに文字を書けるという「コメ粒もじもじ」のコーナーも。優秀作品は1階のギャラリーで展示されるとか。これがかなり難しいのですが、手先の器用な方はまずは参加されては如何でしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/98/03d1b4ea2b38432523b42cdaa4d741b4.jpg)
「いただきます!」では茶碗に盛られたご飯のサンプルを展示。良く出来ています。ふりかけに梅干しに納豆。私は断然に納豆派です。卵をかければなおさらご飯も進みます。
もちろん土から接してコメに触れてこそはじめて分かるものかもしれない。子どもの頃、母に茶碗のご飯を残してはいけないと言われたことを思い出しました。しかしながら「デザインの手本としてのコメづくり」とはディレクターの佐藤氏の言葉です。コメの服ならぬパッケージデザインの展示もある。この展覧会に接するとコメに対する見方が少し変わるかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/68/a5783ae5d56a2ee47446481518fdc028.jpg)
なお途中にも触れましたが、体験型の展示もいくつか用意されています。混雑を避けての観覧がおすすめです。嬉しいことに21_21は土日含めて連日20時までオープン。夜間も狙い目になるかもしれません。実際に私も夜に行きましたが、空いていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/af/a21ed42167ecca7e34a362f1ff8021ff.jpg)
4月19日のアートナイト時は開館が深夜24時まで延長となります。(但しこの日はおそらく賑わいます。)
6月15日まで開催されています。
「コメ展」 21_21 DESIGN SIGHT
会期:2月28日 (金) ~6月15日 (日)
休館:火曜日。但し4/29、5/6は開館。
時間:11:00~20:00(入場は19:30まで)
*4月19日(土)は六本木アートナイトのため24:00まで開館延長。
料金:一般1000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
「コメ展」
2/28-6/15
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/fb/c73467de4166c23361d536a4c56d67c8.jpg)
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「コメ展」を見て来ました。
日頃の食卓に欠かせないコメ。しかしコメの歴史やコメにまつわる文化とは何か。振り返れば、そもそも精米された米粒や茶碗のご飯以外のコメを知る機会は意外と少ないものでもあります。
デザインの観点からもコメを見据える。ディレクションはデザイナーの佐藤卓氏と人類学者の竹村真一氏です。21_21 DESIGN SIGHTならではの切り口でコメの様々な有り様を提示していました。
会場内は撮影が可能でした。(ツイッターでハッシュタグ#kometenとつけてつぶやくと、公式特設サイトに写真がアップされるそうです。)展示の様子を少しご紹介しましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/44/c8d8632f8db5b329c7ca5ee4b507c5b6.jpg)
まずエントランスから。床にごろりと転がるのはまさにコメ。籾に玄米に白米。但し360倍の姿です。ともかくも単に「粒」としてだけしか見ていないコメ。実はこんな形をしていた。特に籾です。拡大するとまるで何か未知の巨大生物のような出立ちでもあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/b9/3a5c353b046b6b98c9e6dae4cff35f4b.jpg)
階下へ進みましょう。「コメの景」です。ここではコメから広がる8つの景色を紹介する。例えば「コメと光」はどうでしょうか。一杯の茶碗に盛られるご飯の3000粒に光を照らす。明かりの灯るコメが如何に美しいことか。まるで宝石の如く青白い光を放っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/95/43df30ccff6d392453a50aa69c1ef51b.jpg)
そして驚くのがコメの上に置かれた一つの虫眼鏡。その先には何があるのだろう。目を近づけてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/c5/c52f8b8470fd8af8d80354d097efdbdf.jpg)
するとお寿司がある。何と米粒一つが一貫の握りです。マグロに海老にウニでしょうか。驚くほど細かさです。どうやって作ったのでしょうか。思わず息をのんでしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/35/5ed2d80a913d99b8ce2c20fef66d43c1.jpg)
さらにメインのフロアへ。ずらりと並ぶのはコメに関する様々な知識に道具、そしてデザインです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/4b/18abe767e4371369e7cffc39c5a46aec.jpg)
例えばしめ飾り。稲藁を編んでつくる。そういえば私もこれほど立派ではありませんが、今年の年始に玄関へ小さなしめかざりを飾ったことを思い出しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/af/432cfd099924a3ee985e44869e71d913.jpg)
コメの様々な入れ物を並べた「コメの計」も興味深いもの。一粒のコメからコメ1869粒の粟おこしへ。最後はコメ俵です。中には何と2608695粒入るのだとか。そういえばかつては「石」、ようはコメの収穫量で言わば国の富を表していたわけでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/71/9f4b811cd9ea5c413accb4c4175233e6.jpg)
一口にコメと言ってもたような品種がある。「たねとり田んぼ」です。種子でもあるコメを品種毎に並べている。千差万別です。コメの粒、種子へのこだわり。先人たちの品種改良への努力。そうしたものも伺い知れます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/75/cb174f87edfbc0efd5a7a6715ea4746b.jpg)
コメを掬うしゃもじ。また収穫の鎌しかり、コメには道具も欠かせません。「属人器」のコーナーではコメを扱う人が用いる様々な道具を紹介しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/75/205725376646f316aebb81f32017e90d.jpg)
インタラクティブな仕掛けも随所に置かれています。例えば収穫から精米の過程をハンドル操作で疑似体験する「働かざる者、食うべからず」。そしてご飯を焚く仕掛けを模した「はじめはちょろちょろ」と題した装置も。私も普段、ご飯は必ずガスの炎で焚きます。ここは勘を頼りにチャレンジしてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ee/08afd5ed569d17f5ea6062fe50da0f0f.jpg)
そちらかといえば私はこちらの方がお世話になっているかもしれません。「ジャパンブランド」です。壁面に無数に貼られたのは日本酒のラベル。それ自体が一つのデザインでもある。ラベルでお酒を買ってしまわないこともない。思わず地元千葉のお酒をラベルを探してしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/11/f361dfe5464a9f9c35f47ad5613a2032.jpg)
最後には一粒のコメに文字を書けるという「コメ粒もじもじ」のコーナーも。優秀作品は1階のギャラリーで展示されるとか。これがかなり難しいのですが、手先の器用な方はまずは参加されては如何でしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/98/03d1b4ea2b38432523b42cdaa4d741b4.jpg)
「いただきます!」では茶碗に盛られたご飯のサンプルを展示。良く出来ています。ふりかけに梅干しに納豆。私は断然に納豆派です。卵をかければなおさらご飯も進みます。
もちろん土から接してコメに触れてこそはじめて分かるものかもしれない。子どもの頃、母に茶碗のご飯を残してはいけないと言われたことを思い出しました。しかしながら「デザインの手本としてのコメづくり」とはディレクターの佐藤氏の言葉です。コメの服ならぬパッケージデザインの展示もある。この展覧会に接するとコメに対する見方が少し変わるかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/68/a5783ae5d56a2ee47446481518fdc028.jpg)
なお途中にも触れましたが、体験型の展示もいくつか用意されています。混雑を避けての観覧がおすすめです。嬉しいことに21_21は土日含めて連日20時までオープン。夜間も狙い目になるかもしれません。実際に私も夜に行きましたが、空いていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/af/a21ed42167ecca7e34a362f1ff8021ff.jpg)
4月19日のアートナイト時は開館が深夜24時まで延長となります。(但しこの日はおそらく賑わいます。)
6月15日まで開催されています。
「コメ展」 21_21 DESIGN SIGHT
会期:2月28日 (金) ~6月15日 (日)
休館:火曜日。但し4/29、5/6は開館。
時間:11:00~20:00(入場は19:30まで)
*4月19日(土)は六本木アートナイトのため24:00まで開館延長。
料金:一般1000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
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