「Takahiro Matsuo「INTENSITY」 ポーラミュージアムアネックス

ポーラミュージアムアネックス
「Takahiro Matsuo「INTENSITY」
2020/7/27~9/6



ポーラミュージアムアネックスで開催中の「Takahiro Matsuo「INTENSITY」を見てきました。

1979年に福岡に生まれたアーティスト松尾高弘は、映像、照明、オブジェクトからなる光のインスタレーションを手掛け、2009年にはミラノサローネでのキヤノン「NEOREAL」展にも出展するなど国内外で活動してきました。

その松尾のポーラミュージアムアネックスとしては9年ぶりの個展が「INTENSITY(=強度)」で、光のエネルギーやコントラストを知覚できる3点の作品を公開していました。



まず目を引いたのが、横長のスクリーンを用いた映像インスタレーション「Phenomenon / フェノメノン」で、火の粉を思わせるようなオレンジ色の小さなドットが、大きく波打つようにして広がっていました。

しかし無数の粒子の振幅は一定でなく、常にフォルムを変えながら漂っていて、暗がりに消えていくこともありました。これは気流や炎などの流体を「現象美」(公式サイトより)として映したもので、粒子の数は実に数百万個にも及んでいました。しばらく粒子の運動を眺めていると、あたかも宇宙に生成し、また消滅する星々の運動のようにも思えました。



次に暗室で光り輝いていたのが、透明なプリズム多面体を用いた「FLARE / フレア」と呼ばれるライティングオブジェクトでした。



複雑な氷の結晶体のようなプリズムは、四方に光を放つというよりも、光を内に秘めては蓄えているようで、あたかも光そのものが物質化されたかのような質感を見せていました。これほど白く美しい光を目にしたのも久しぶりと感じるほどかもしれません。



今回の個展で最も大きいインスタレーションが、水とLEDの光を用いた「SPECTRA / スぺクトラ」でした。ちょうど暗室の中央に円形状のステージがあり、上部から絶えず水が落ちながら、宝石のような光を瞬いていました。



水は雨のように降り注いだかと思うと、止むように少なくなったりして、絶えず変化を繰り返していました。また見る角度や水の反射によって光が変わっていくのも特徴で、しばらく周囲を巡っては見入りました。



松尾は近年、ブランドとのタイアップにより光のアートワークを数多く手掛けています。今後はパブリックなスペースでも光の作品が多く公開されていくのかもしれません。

新型コロナウイルス感染症対策のため、ウェブサイトでの事前予約制が導入されました。また閉館時間が通常の20時から18時40分までと短縮されました。


入場指定時間枠は各回40分ほど設定されていましたが、開始時間に入場者が集中しているように見受けられました。少し時間をずらして出向くのも良いかもしれません。(各回入れ替え制)

土日は事前に予約が埋まる傾向にあります。9月6日まで開催されています。

「Takahiro Matsuo「INTENSITY」 ポーラミュージアムアネックス@POLA_ANNEX
会期:2020年7月27日(月)~9月6日(日)
休館:7月27日(月)、8月11日(火)、8月24日(月)
料金:無料
時間:11:00~18:40 
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
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