「青木陵子+伊藤存 変化する自由分子のWORKSHOP展」 ワタリウム美術館

ワタリウム美術館
「青木陵子+伊藤存 変化する自由分子のWORKSHOP展」
2020/3/29~8/30



ワタリウム美術館で開催中の「青木陵子+伊藤存 変化する自由分子のWORKSHOP展」を見てきました。

1973年に兵庫県で生まれた青木陵子は、動植物や日常の断片などのイメージを描き、素描を組み合わせたインスタレーションを発表するなどして活動してきました。一方で1971年に大阪府で生まれた伊藤存は、主に刺繍の作品で知られ、アニメーションや立体なども幅広く制作してきました。

2000年から青木と伊藤はアニメーションを中心に共同制作をはじめました。そして2017年と2019年に宮城県石巻市で開かれたリボーンアート・フェスティバルにおいても、自然と向き合い、地域の人々との対話を重ねながら、ともに作品を発表したとしています。

その2名のアーティストの共同作品を展示したのが「変化する自由分子のWORKSHOP展」で、リボーンアート・フェスティバルへの出展作品に加え、新作のインスタレーションなどが公開されてました。



さて会場にはドローイング、オブジェ、素描、刺繍、それに映像など、実に多様な作品が並んでいましたが、さながら市場とも見本市に迷い込んだような雰囲気があったかもしれません。



実際、リボーンアート・フェスティバルでは、現地に持ち込んだ素材だけでなく、石巻の土や植物の樹皮なども作品に取り込んでいて、中には漁師から編み方を学んで作られた作品もありました。



いくつかは人工的な作品というよりも、自然物のような佇まいも感じられて、まるで様々な人々が任意に好きなものを持ち寄ったコレクションのようにも思えました。



レジ袋を編み込んだ布の作品や、スポンジにドローイングを映し出すアニメーション、はたまたボトルシップを連想させるようなドローイングなど、個々の小さなオブジェクトに魅力が感じられるのも面白いかもしれません。いずれも既製品を交えつつ、手仕事がさりげなく加えられていて、思わぬ素材が作品として活かされていました。



さらに会場では、アニメーションを取り込んだ大掛かりなインスタレーションも展開していて、明暗に展開しては変化する映像にも見入るものがありました。



過去のリボーンアート・フェスティバルでは、屋外の浜辺や空き家などを用いて作品を展示しました。そうした点もあるのか、都会の真ん中の会場とはいえ、どことなく自然の息吹が呼び込まれているようにも思えました。



ちょうどこの日は、会場内の「メタモルフォーセス」にて、香港の夜市で仕入れた様々なものを販売する「香港昼市」が行われていました。



「メタモルフォーセス」とは、リボーンアート・フェスティバルの際、同地で発見したものに手を加え、商品として販売した店のことで、今回も展覧会の中の店として開設されました。


新型コロナウイルス感染症対策のため、1時間に20名の入館人数の制限が実施されています。但し事前予約制ではありません。



8月30日まで開催されています。

「青木陵子+伊藤存 変化する自由分子のWORKSHOP展」 ワタリウム美術館@watarium
会期:2020年3月29日(日)~2020年8月30日(日) *会期延長
休館:月曜日。但し5月4日は開館。
時間:11:00~19:00 
 *毎週水曜日は21時まで開館。
料金:一般1000円、25歳以下(学生)800円、小・中学生500円、70歳以上700円。
 *ペア券:大人2人1600 円、学生2人1200 円
 *パスポートチケット:1500円(本人に限り、会期中何度でも入場可。)
住所:渋谷区神宮前3-7-6
交通:東京メトロ銀座線外苑前駅より徒歩8分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )