都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「東京ビエンナーレ2020/2021『佐藤直樹 そこで生えている。2013-2021』」 正則学園高校
正則学園高校 6階教室
「東京ビエンナーレ2020/2021『佐藤直樹 そこで生えている。2013-2021』」
2021/7/30〜8/28
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正則学園高校にて開催中の「東京ビエンナーレ2020/2021『佐藤直樹 そこで生えている。2013-2021』」を見てきました。
グラフィックデザイナーであり、2010年に「アーツ千代田3331」の立ち上げにも携わった佐藤直樹は、近年絵画制作へと重心を移し、個展や画集を刊行するなどして活動してきました。
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その佐藤が東日本大震災後に制作し続けているのが絵画「そこで生えている。」シリーズで、植物といった自然をモチーフにして、実に250メートルの長さにまで描いてきました。
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それこそ闇夜のジャングルの中へと誘われたような錯覚に囚われるかもしれません。会場である高校の6階のエレベーターを降りて目に飛び込んでくるのが、わずかな明かりのみに照らし出された「そこで生えている。」で、廊下から複数の教室へと迷路を築くように連なっていました。
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いずれも木炭によって巨大な花や草木、さらには水の流れなどが木のパネルへ濃密に描かれていて、暗がりの空間にもかかわらず、どこか熱気のようなものが感じられました。
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花や樹木はうねるような線によって象られていて、私が確認した範囲では動物は一切登場していませんでした。それこそ人跡未踏の地にて植物のみが繁茂しているような世界といえるかもしれません。
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廊下から教室を埋め尽くすように連なる作品は全部で280枚ほどあり、長さも佐藤にとっての過去最長となる270メートルにも及ぶそうです。
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また会場では何も描かれていない木の板も何枚か置かれていて、描きかけと思われる植物の断片も目にすることができました。一体全体、この作品は「完成」することがあるのでしょうか。
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しばらく作品に見入りながら会場を歩いていると、植物の世界へと飲み込まれ、ここが学校の校舎の中であることを忘れてしまうほどでした。
なお現在、佐藤直樹展を開催中の正則学園高校では、1つ上のフロアの7階の体育館にて「池田晶紀《いなせな東京 Project》」が行われています。
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こちらは写真家の池田昌紀が、いわゆる「神田っ子」をモデルに撮影した写真を公開するもので、体育館の壁から床、はたまた天井から吊られたバナーなどにポートレイトが展示されていました。
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事務所や商店などを舞台に写したポートレイトも多く、モデルのほとんどの方が実に楽しそうな表情を見せているのも印象に残りました。それこそ神田の人々が持ち得ている活力を感じるような写真だったかもしれません。
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東京ビエンナーレのパスポート(一般:2500円、学生:1900円)、もしくは個別鑑賞券(一般:500円、学生:350円)にて鑑賞可能です。
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会期も残すところ2日となりました。8月28日まで開催されています。
「東京ビエンナーレ2020/2021『佐藤直樹 そこで生えている。2013-2021』」(@tokyobiennale) 正則学園高校 6階教室
会期:2021年7月30日(金)〜8月28日(土)
休館:月・火曜日。
時間:11:00~18:00
料金:パスポート(一般2500円、学生1900円)、及び個別鑑賞券(一般500円、学生350円)。
場所:千代田区神田錦町3-1
交通:東京メトロ半蔵門線・都営三田線・新宿線神保町駅より徒歩6分。東京メトロ東西線竹橋駅より徒歩6分。
「東京ビエンナーレ2020/2021『佐藤直樹 そこで生えている。2013-2021』」
2021/7/30〜8/28
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正則学園高校にて開催中の「東京ビエンナーレ2020/2021『佐藤直樹 そこで生えている。2013-2021』」を見てきました。
グラフィックデザイナーであり、2010年に「アーツ千代田3331」の立ち上げにも携わった佐藤直樹は、近年絵画制作へと重心を移し、個展や画集を刊行するなどして活動してきました。
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その佐藤が東日本大震災後に制作し続けているのが絵画「そこで生えている。」シリーズで、植物といった自然をモチーフにして、実に250メートルの長さにまで描いてきました。
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それこそ闇夜のジャングルの中へと誘われたような錯覚に囚われるかもしれません。会場である高校の6階のエレベーターを降りて目に飛び込んでくるのが、わずかな明かりのみに照らし出された「そこで生えている。」で、廊下から複数の教室へと迷路を築くように連なっていました。
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いずれも木炭によって巨大な花や草木、さらには水の流れなどが木のパネルへ濃密に描かれていて、暗がりの空間にもかかわらず、どこか熱気のようなものが感じられました。
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花や樹木はうねるような線によって象られていて、私が確認した範囲では動物は一切登場していませんでした。それこそ人跡未踏の地にて植物のみが繁茂しているような世界といえるかもしれません。
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廊下から教室を埋め尽くすように連なる作品は全部で280枚ほどあり、長さも佐藤にとっての過去最長となる270メートルにも及ぶそうです。
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また会場では何も描かれていない木の板も何枚か置かれていて、描きかけと思われる植物の断片も目にすることができました。一体全体、この作品は「完成」することがあるのでしょうか。
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しばらく作品に見入りながら会場を歩いていると、植物の世界へと飲み込まれ、ここが学校の校舎の中であることを忘れてしまうほどでした。
なお現在、佐藤直樹展を開催中の正則学園高校では、1つ上のフロアの7階の体育館にて「池田晶紀《いなせな東京 Project》」が行われています。
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こちらは写真家の池田昌紀が、いわゆる「神田っ子」をモデルに撮影した写真を公開するもので、体育館の壁から床、はたまた天井から吊られたバナーなどにポートレイトが展示されていました。
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事務所や商店などを舞台に写したポートレイトも多く、モデルのほとんどの方が実に楽しそうな表情を見せているのも印象に残りました。それこそ神田の人々が持ち得ている活力を感じるような写真だったかもしれません。
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東京ビエンナーレのパスポート(一般:2500円、学生:1900円)、もしくは個別鑑賞券(一般:500円、学生:350円)にて鑑賞可能です。
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会期も残すところ2日となりました。8月28日まで開催されています。
「東京ビエンナーレ2020/2021『佐藤直樹 そこで生えている。2013-2021』」(@tokyobiennale) 正則学園高校 6階教室
会期:2021年7月30日(金)〜8月28日(土)
休館:月・火曜日。
時間:11:00~18:00
料金:パスポート(一般2500円、学生1900円)、及び個別鑑賞券(一般500円、学生350円)。
場所:千代田区神田錦町3-1
交通:東京メトロ半蔵門線・都営三田線・新宿線神保町駅より徒歩6分。東京メトロ東西線竹橋駅より徒歩6分。
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