石上純也「木陰雲」 パビリオン・トウキョウ2021

パビリオン・トウキョウ2021
石上純也「木陰雲」
2021/7/1~9/5



パビリオン・トウキョウ2021で開催中の石上純也「木陰雲」を見てきました。

東京・九段下に戦前に建てられた邸宅の庭に、建築家の石上純也は、木造の柱と屋根によるパビリオン「木陰雲」を築きました。



会場のkudan houseとは1927年、実業家の山口萬吉の邸宅として建てられたもので、2018年にリノベーションされ、会員制オフィスとして利用されてきました。また同年には国の有形文化財に登録されました。



ちょうど九段下駅から坂を上り、靖国神社の手前を右手に折れた先に位置していて、都心とは思えないほど鬱蒼とした木々に囲まれた建物は趣深いものがありました。なお当初の建設時には内藤多仲や木子七郎らが関わりました。



石畳を手前に樹木の茂る庭には、石上が「日除け」と呼ぶパビリオンが築かれていて、それぞれの柱と屋根とが既存の樹木を避けるように組み上げられていました。



屋根の部分がいくつもの大きな穴が開いていて、そこから木立の葉を透かすようにして太陽の光が差し込んでいました。



杉を用いた木は表面が炭化していて、いずれも黒く爛れていました。どことなく廃墟のような雰囲気も感じられるかもしれません。



庭園の随所には白い椅子が置かれていて、しばらく座りながら、時折風に揺れる木々のざわめきなどを感じることができました。



黒く焦げた木と元々存在する古い樹木のコントラストも面白いのではないでしょうか。これほど木漏れ日が美しく見えたのも久しぶりでした。



飛び込みでも観覧可能ですが、混雑時は入場制限を行う場合があります。最新の情報はパビリオン・トウキョウ2021の公式サイトをご確認ください。


なお会場のkudan houseでは、8月6日より現代美術家による展示、「The Still Point – まわる世界の静止点」も開催されています。(事前予約制。9月5日まで)あわせて見に行くのも良いかもしれません。

8月第3週以降は月曜日がお休みです。9月5日まで開催されています。

石上純也「木陰雲」 パビリオン・トウキョウ2021@paviliontokyo
会期:2021年7月1日(木)~9月5日(日)
時間:10:00~18:00。
 *入場規制を行う場合あり。
休館:7/5、7/12、7/13、7/14、7/19、7/22〜27、8/2、8/10、8/16、8/23、8/30
料金:無料
住所:千代田区九段北1-15-9 kudan house 庭園
交通:東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅1出口より徒歩5分。
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