都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「100%ORANGE オレンジ・ジュース」 千葉県立美術館
千葉県立美術館
「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」
2021/7/13~9/20
千葉県立美術館で開催中の「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」を見てきました。
イラストレーターの及川賢治と竹内繭子によるユニット「100%ORANGE」は、1990年代半ばより活動をはじめ、書籍や広告のほか、絵本や漫画などの創作でも幅広く活動してきました。
その2人の仕事を紹介するのが「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」で、まさに濃縮還元100%オレンジ・ジュースならぬ、過去に作られたイラストレーションのエッセンスが濃縮するように展開していました。
さて「100%ORANGE」の創作の中で有名な作品をあげるとすれば、誰もが新潮文庫「Yonda?」キャンペーンに登場するパンダと答えるかもしれません。
これは2000年代に新潮社のプロモーション「Yonda?」シリーズのパンダのイラストレーションで、会場でもポスターから景品のマスコット、さらには絵本といったグッズなどが並んでいました。
私も「Yonda?」パンダの緑色のマグカップを持っていたことがありましたが、かつては書店にて大きく取り上げられたキャンペーンゆえに、知名度も高いのではないでしょうか。
「100%ORANGE」の作品の多くは「味わいのある輪郭線とあざやかな色面」(解説より)を特徴としていて、「Yonda?」においても黒く丸みを帯びた輪郭線がパンダをかわいらしく象っていました。
いずれも柏市出身である及川と竹内は、県内の高校で出会うと、家庭用のシルクスクリーンの印刷機であるプリントゴッコで手刷りしたポストカードを制作しては、フリーマーケットや雑貨店で販売しました。
全部で50種類ほど刷られたポストカードは、時に版が駄目になるまで何度も刷り重ねられ、次第に作品を見た人からイラストレーションの依頼を受けるようになりました。子どもたちやパンダなどの動物を描いたポストカードは、色数が2から3色に限定されていて、カジュアルでしゃれた雰囲気が感じられるのではないでしょうか。
普段の仕事机を再現したコーナー興味深いかもしれません。ここでは使い古しの鉛筆や消しゴム、ペンをはじめ、スケッチブックやラジオなどが置かれていて、2人のアトリエを見学しているような気にさせられました。
UFOや宇宙人、またはブッダなどをモチーフとした、こけしやマトリョーシカもかわいらしく見えました。これらは鎌倉のこけしとマトリョーシカの専門店「コケーシカ」で展示されたもので、七福神や当地の湘南をテーマとしたオリジナルの作品もありました。
CDジャケットや本の装丁、さらにペットボトルやお菓子のパッケージなども魅惑的ではないでしょうか。いずれもレトロで手作り感があり、なおかつ温かみが感じられるデザインでしたが、心なしか小さな作品に「100%ORANGE」ならではの個性がにじみ出ていたかもしれません。日常の生活へと取り入れては欲しくなるようなデザインばかりでした。
2007年には絵本「よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし」にて第13回日本絵本大賞を受賞し、2012年には及川のTwitterを基にした詩画集「ひとりごと絵本」を出版するなど、近年は絵本での活躍も目立っていました。
おそらくは2人の直筆と思われるキャプションも親しみやすいのではないでしょうか。作品の制作プロセスを伺えるような絵本の原画などにも見入りました。
作品のジャンルや30にも及んでいて、イラストから絵本、マンダ、さらにはアニメへと行き来する「100%ORANGE」のマルチな才能に感銘するものがありました。
会場内の撮影も可能でした。9月20日まで開催されています。
「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」 千葉県立美術館(@chiba_pref_muse)
会期:2021年7月13日(火)~9月20日(月・祝)
休館:月曜日。但し月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館。9月14日(火)。
時間:9:00~16:30。
*入館は閉館の30分前まで。
*7月31日(土)、8月6日(金)、7日(土)、8日(日)、13日(金)、14日(土)、20日(金)、21日(土)、27日(金)、28日(土)、9月3日(金)、4日(土)は19時半までの夜間開館。
料金:一般300円、高校・大学生150円、中学生以下、65歳以上無料。
*20名以上は団体料金(2割引)
*コレクション展と共通チケット
住所:千葉市中央区中央港1-10-1
交通:JR線・千葉都市モノレール千葉みなと駅より徒歩約10分。
「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」
2021/7/13~9/20
千葉県立美術館で開催中の「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」を見てきました。
イラストレーターの及川賢治と竹内繭子によるユニット「100%ORANGE」は、1990年代半ばより活動をはじめ、書籍や広告のほか、絵本や漫画などの創作でも幅広く活動してきました。
その2人の仕事を紹介するのが「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」で、まさに濃縮還元100%オレンジ・ジュースならぬ、過去に作られたイラストレーションのエッセンスが濃縮するように展開していました。
さて「100%ORANGE」の創作の中で有名な作品をあげるとすれば、誰もが新潮文庫「Yonda?」キャンペーンに登場するパンダと答えるかもしれません。
これは2000年代に新潮社のプロモーション「Yonda?」シリーズのパンダのイラストレーションで、会場でもポスターから景品のマスコット、さらには絵本といったグッズなどが並んでいました。
私も「Yonda?」パンダの緑色のマグカップを持っていたことがありましたが、かつては書店にて大きく取り上げられたキャンペーンゆえに、知名度も高いのではないでしょうか。
「100%ORANGE」の作品の多くは「味わいのある輪郭線とあざやかな色面」(解説より)を特徴としていて、「Yonda?」においても黒く丸みを帯びた輪郭線がパンダをかわいらしく象っていました。
いずれも柏市出身である及川と竹内は、県内の高校で出会うと、家庭用のシルクスクリーンの印刷機であるプリントゴッコで手刷りしたポストカードを制作しては、フリーマーケットや雑貨店で販売しました。
全部で50種類ほど刷られたポストカードは、時に版が駄目になるまで何度も刷り重ねられ、次第に作品を見た人からイラストレーションの依頼を受けるようになりました。子どもたちやパンダなどの動物を描いたポストカードは、色数が2から3色に限定されていて、カジュアルでしゃれた雰囲気が感じられるのではないでしょうか。
普段の仕事机を再現したコーナー興味深いかもしれません。ここでは使い古しの鉛筆や消しゴム、ペンをはじめ、スケッチブックやラジオなどが置かれていて、2人のアトリエを見学しているような気にさせられました。
UFOや宇宙人、またはブッダなどをモチーフとした、こけしやマトリョーシカもかわいらしく見えました。これらは鎌倉のこけしとマトリョーシカの専門店「コケーシカ」で展示されたもので、七福神や当地の湘南をテーマとしたオリジナルの作品もありました。
CDジャケットや本の装丁、さらにペットボトルやお菓子のパッケージなども魅惑的ではないでしょうか。いずれもレトロで手作り感があり、なおかつ温かみが感じられるデザインでしたが、心なしか小さな作品に「100%ORANGE」ならではの個性がにじみ出ていたかもしれません。日常の生活へと取り入れては欲しくなるようなデザインばかりでした。
2007年には絵本「よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし」にて第13回日本絵本大賞を受賞し、2012年には及川のTwitterを基にした詩画集「ひとりごと絵本」を出版するなど、近年は絵本での活躍も目立っていました。
おそらくは2人の直筆と思われるキャプションも親しみやすいのではないでしょうか。作品の制作プロセスを伺えるような絵本の原画などにも見入りました。
【展覧会】「千葉からはばたく新世代アート展 千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」は、すべての作品が撮影可能です。どこか懐かしく、かわいらしい100%ORANGEの世界をスマホやカメラにおさめてお持ち帰りください。#千葉県立美術館 #100%ORANGEhttps://t.co/eZQ7qf0sWX pic.twitter.com/61nBckBInq
— 千葉県立美術館 (@chiba_pref_muse) July 30, 2021
作品のジャンルや30にも及んでいて、イラストから絵本、マンダ、さらにはアニメへと行き来する「100%ORANGE」のマルチな才能に感銘するものがありました。
会場内の撮影も可能でした。9月20日まで開催されています。
「千葉の新進作家vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」 千葉県立美術館(@chiba_pref_muse)
会期:2021年7月13日(火)~9月20日(月・祝)
休館:月曜日。但し月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館。9月14日(火)。
時間:9:00~16:30。
*入館は閉館の30分前まで。
*7月31日(土)、8月6日(金)、7日(土)、8日(日)、13日(金)、14日(土)、20日(金)、21日(土)、27日(金)、28日(土)、9月3日(金)、4日(土)は19時半までの夜間開館。
料金:一般300円、高校・大学生150円、中学生以下、65歳以上無料。
*20名以上は団体料金(2割引)
*コレクション展と共通チケット
住所:千葉市中央区中央港1-10-1
交通:JR線・千葉都市モノレール千葉みなと駅より徒歩約10分。
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