都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」 シャネル・ネクサス・ホール
シャネル・ネクサス・ホール
「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」
2021/9/8~10/24
シャネル・ネクサス・ホールで開催中の「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」を見てきました。
1928年にパリに生まれたギイ・ブルダンは、マン・レイといったシュルレアリストの影響を受けて写真を手がけ、ヴォーグなどのファッション誌やシャネルをはじめとするブランドの広告を制作してきました。
そのブルダンの個展が「The Absurd and The Sublime」で、会場にはモノクロからカラーへと至る写真が一堂に公開されていました。
画家としてキャリアをはじめたブルダンがマン・レイと出会ったのは1951年のことで、以降、生涯にわたってシュルレアリスムの大きな影響を受けました。
初期のモノクロの写真は確かにシュルレアリスムを思わせるような構図を見せていて、人や脚、靴などのモチーフを時にトリミングするように写していました。また具体的な素材を用いつつも、抽象的なパターンを感じさせるのもブルダンの写真の面白いところかもしれません。
1955年にパリのギャラリーで写真展を開いたブルダンは、その後すぐにファッション誌のフランス版「VOGUE」に見出されると注目を集め、よほどの才能を見せたのか、「VOGUE」も新人であったブルダンに制作上の自由を与えては写真を制作させました。
ブルダンは被写体となる宣伝対象の商品たちをイメージの中心に置かず、いわば「ほのめかす」(解説より)ように扱っていて、1950年から60年代の広告の基準から逸脱していました。あくまでも見る人をイメージの中に引き込んでは、疑問を投げかけるようにして興味を引こうとしていたのかもしれません。
マン・レイともにブルダンの制作に際して影響を与えたのが、サスペンス映画の神様と呼ばれるアルフレッド・ヒッチコックでした。ヒッチコックの映画に魅せられたブルダンは、「犯罪現場」(解説より)を作り上げていて、例えば殺人事件の現場を想起させるようにミステリアスな作品を制作しました。
鮮やかな色彩と大胆な構図を用いつつ、ストーリー性を感じさせるブルダンの写真は、甘美的でかつ艶やかさも持ち得ていているのではないでしょうか。とりわけ色彩の眩しいまでの赤に魅せられました。
斜めにスリットを刻むような会場構成も効果的ではなかったでしょうか。まるで身体とファッションを巡る1つのストーリーが築かれているかのようでした。
予約は不要、会期中も無休です。(但し混雑時は入場制限あり)
10月24日まで開催されています。
「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」 シャネル・ネクサス・ホール
会期:2021年9月8日(水)~10月24日(日)
休廊:会期中無休。
料金:無料。
時間:11:00~19:00。
*最終入場は18:30まで。
住所:中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A13出口より徒歩1分。東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅5番出口より徒歩1分。
「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」
2021/9/8~10/24
シャネル・ネクサス・ホールで開催中の「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」を見てきました。
1928年にパリに生まれたギイ・ブルダンは、マン・レイといったシュルレアリストの影響を受けて写真を手がけ、ヴォーグなどのファッション誌やシャネルをはじめとするブランドの広告を制作してきました。
そのブルダンの個展が「The Absurd and The Sublime」で、会場にはモノクロからカラーへと至る写真が一堂に公開されていました。
画家としてキャリアをはじめたブルダンがマン・レイと出会ったのは1951年のことで、以降、生涯にわたってシュルレアリスムの大きな影響を受けました。
初期のモノクロの写真は確かにシュルレアリスムを思わせるような構図を見せていて、人や脚、靴などのモチーフを時にトリミングするように写していました。また具体的な素材を用いつつも、抽象的なパターンを感じさせるのもブルダンの写真の面白いところかもしれません。
1955年にパリのギャラリーで写真展を開いたブルダンは、その後すぐにファッション誌のフランス版「VOGUE」に見出されると注目を集め、よほどの才能を見せたのか、「VOGUE」も新人であったブルダンに制作上の自由を与えては写真を制作させました。
ブルダンは被写体となる宣伝対象の商品たちをイメージの中心に置かず、いわば「ほのめかす」(解説より)ように扱っていて、1950年から60年代の広告の基準から逸脱していました。あくまでも見る人をイメージの中に引き込んでは、疑問を投げかけるようにして興味を引こうとしていたのかもしれません。
マン・レイともにブルダンの制作に際して影響を与えたのが、サスペンス映画の神様と呼ばれるアルフレッド・ヒッチコックでした。ヒッチコックの映画に魅せられたブルダンは、「犯罪現場」(解説より)を作り上げていて、例えば殺人事件の現場を想起させるようにミステリアスな作品を制作しました。
鮮やかな色彩と大胆な構図を用いつつ、ストーリー性を感じさせるブルダンの写真は、甘美的でかつ艶やかさも持ち得ていているのではないでしょうか。とりわけ色彩の眩しいまでの赤に魅せられました。
斜めにスリットを刻むような会場構成も効果的ではなかったでしょうか。まるで身体とファッションを巡る1つのストーリーが築かれているかのようでした。
予約は不要、会期中も無休です。(但し混雑時は入場制限あり)
10月24日まで開催されています。
「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」 シャネル・ネクサス・ホール
会期:2021年9月8日(水)~10月24日(日)
休廊:会期中無休。
料金:無料。
時間:11:00~19:00。
*最終入場は18:30まで。
住所:中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A13出口より徒歩1分。東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅5番出口より徒歩1分。
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