都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」 ANOMALY
ANOMALY
「今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」
2021/10/2~11/7
ANOMALYで開催中の「今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」を見てきました。
1980年に生まれたアーティストの今津景は、歴史的名画や博物図譜、それにSNSにアップされた写真など、ネット上の画像データをPhotoshopにて編集した下図をもとに、キャンバスに油彩で描く作品を制作してきました。
その今津の都内では3年ぶりとなる個展が「Mapping the Land/Body/Stories of its Past」で、会場には主に昨年から今年にかけて描かれた絵画、および鉄のオブジェなどが展示されていました。
「RIB」 2021年
ともかく目を引くのは、鮮やかな色彩を伴いつつ、激しい動きを見せるように展開する大画面の油彩画で、中にはバナナの房や虎、はたまた名画の一場面と思しきモチーフが入り乱れるように描かれていました。
「Memories of the Land / Body」 2020年
これらのモチーフの一部は、今津が現在、拠点とするインドネシアの歴史や文化に関係する素材も取り込まれていて、銃剣を構えた兵士なども見られました。
またPhotoshopを取り入れつつも、絵画のストロークやタッチそのものは生気に溢れていて、流れてはぶつかりあい、跳ね上がる絵具の熱量のようなものを感じることができました。
さらに今津は今回の新作において、Photoshopのみならず、3DレンダリングソフトであるDimensionも利用していて、奥行きと平坦さが同時に表れたような独特の画面が築かれていました。
「Artificial green by nature green 2.0」 2021年
こうした一連の絵画とともに興味深いのが、マシンを用いた「Artificial green by nature green 2.0」でした。これは熱帯雨林のジャングルを描いた風景を水を含んだ筆が自動で消していくもので、いわば時間で変化をし続けるインスラレーション的な作品でした。
「Artificial green by nature green 2.0」は、インドネシアの作家であるバグース・パンデガとの共作として発表され、一度同国では公開された際はオラウータンが描かれていたものの、今回はキャンバス上に姿はなく、上部に吊り下げられた細い横長のモニターに映されていました。
「Artificial green by nature green 2.0」 2021年
ひたすらくるくる動きつつ、筆がキャンバスをなぞっていましたが、これは作品の左に展示されたアブラヤシからの生体電流によって制御されているのだそうです。会期が進むことにジャングルは薄くなっていくのでしょうか。その行末も気になりました。
11月7日まで開催されています。
「今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」 ANOMALY(@ANOMALYtokyo)
会期:2021年10月2日 (土) ~11月7日 (日)
休廊:日、月、祝祭日。11月7日のみ日曜日開廊
時間:12:00~18:00。
料金:無料
住所:品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
交通:東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩約8分。東京モノレール羽田空港線天王洲アイル駅中央口より徒歩約11分。京浜急行線新馬場駅より徒歩12分。
「今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」
2021/10/2~11/7
ANOMALYで開催中の「今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」を見てきました。
1980年に生まれたアーティストの今津景は、歴史的名画や博物図譜、それにSNSにアップされた写真など、ネット上の画像データをPhotoshopにて編集した下図をもとに、キャンバスに油彩で描く作品を制作してきました。
その今津の都内では3年ぶりとなる個展が「Mapping the Land/Body/Stories of its Past」で、会場には主に昨年から今年にかけて描かれた絵画、および鉄のオブジェなどが展示されていました。
「RIB」 2021年
ともかく目を引くのは、鮮やかな色彩を伴いつつ、激しい動きを見せるように展開する大画面の油彩画で、中にはバナナの房や虎、はたまた名画の一場面と思しきモチーフが入り乱れるように描かれていました。
「Memories of the Land / Body」 2020年
これらのモチーフの一部は、今津が現在、拠点とするインドネシアの歴史や文化に関係する素材も取り込まれていて、銃剣を構えた兵士なども見られました。
またPhotoshopを取り入れつつも、絵画のストロークやタッチそのものは生気に溢れていて、流れてはぶつかりあい、跳ね上がる絵具の熱量のようなものを感じることができました。
さらに今津は今回の新作において、Photoshopのみならず、3DレンダリングソフトであるDimensionも利用していて、奥行きと平坦さが同時に表れたような独特の画面が築かれていました。
「Artificial green by nature green 2.0」 2021年
こうした一連の絵画とともに興味深いのが、マシンを用いた「Artificial green by nature green 2.0」でした。これは熱帯雨林のジャングルを描いた風景を水を含んだ筆が自動で消していくもので、いわば時間で変化をし続けるインスラレーション的な作品でした。
「Artificial green by nature green 2.0」は、インドネシアの作家であるバグース・パンデガとの共作として発表され、一度同国では公開された際はオラウータンが描かれていたものの、今回はキャンバス上に姿はなく、上部に吊り下げられた細い横長のモニターに映されていました。
「Artificial green by nature green 2.0」 2021年
ひたすらくるくる動きつつ、筆がキャンバスをなぞっていましたが、これは作品の左に展示されたアブラヤシからの生体電流によって制御されているのだそうです。会期が進むことにジャングルは薄くなっていくのでしょうか。その行末も気になりました。
【新着】絵画表現の新たな地平を切り開く。ANOMALYで開催中の『今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past』 https://t.co/RN2mYGeAyS
— Pen Magazine (@Pen_magazine) October 21, 2021
11月7日まで開催されています。
「今津景個展 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」 ANOMALY(@ANOMALYtokyo)
会期:2021年10月2日 (土) ~11月7日 (日)
休廊:日、月、祝祭日。11月7日のみ日曜日開廊
時間:12:00~18:00。
料金:無料
住所:品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
交通:東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩約8分。東京モノレール羽田空港線天王洲アイル駅中央口より徒歩約11分。京浜急行線新馬場駅より徒歩12分。
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