泉屋博古館東京にて『光陰礼讃―モネからはじまる住友洋画コレクション』が開かれています 

今年3月にリニューアルオープンを果たした泉屋博古館東京にて、リニューアル記念展の第2弾となる『光陰礼讃―モネからはじまる住友洋画コレクション』が開催されています。



その内容についてWEBメディアのイロハニアートへ寄稿しました。

激動の時代を経て今に伝わる名画たち。『光陰礼讃―モネからはじまる住友洋画コレクション』の見どころ | イロハニアート

今回の展覧会では、泉屋博古館のコレクションの元になった住友家が、どのように作品を選び、また収集していたのかについて紹介していて、とりわけ現在の住友グループの礎を築いた住友春翠の活動について掘り下げていました。

春翠は明治時代、渡欧していた画家、鹿子木孟郎に留学資金を支援する代わりとして、西洋絵画の収集を依頼していて、当時、ジャン=ポール・ローランスの弟子だった鹿子木は、ローランスの作品とともに、フランスの外光派やイギリスのアカデミーの画家の作品を春翠の元へと送りました。

そして帰国後もアカデミックな写実画を志向する太平洋画会の画家らの作品をはじめ、文展などの出展作より春翠好みの作品などを仲介しました。



春翠が絵画を熱心に収集した理由の1つとして挙げられるのが、明治36年に須磨に建てた「須磨別邸」と呼ばれる邸宅でした。ここに洋館を築いた春翠は、各部屋の用途や性格に応じて絵画を飾り、要人から近隣の人々を招待してはコレクションを見せました。

展示では春翠らの集めた一連のコレクションとともに、須磨別邸の模型なども紹介されていて、当時の邸宅内を捉えた写真もパネルにて見ることができました。


住友家の収集したモネの『モンソー公園』は、かなり早い段階に日本に流入したモネの絵画の1つとされていて、ローランスの大作『マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち』なども見応えがありました。

一方で作品数としては国内の画家の方が充実していて、浅井忠や藤島武二、岸田劉生といったよく知られた画家とともに、東京ではほぼ初公開とされる仙波均平の『静物』や、別邸に飾られて今回が初公開となる川久保正名の『海岸燈台之図』などの珍しい作品にも目を引かれました。



会期中の展示替えはありません。7月31日まで開催されています。

『泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション』 泉屋博古館東京@SenOkuTokyo
会期:2022年5月21日(土)~7月31日(日)
休館:月曜日。月曜日(祝日の場合は翌平日休館)
時間:11:00~18:00
 *金曜日は19時まで開館
 *入館は閉館の30分前まで
料金:一般1000(800)円、高校・大学生600(500)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体。
住所:港区六本木1-5-1
交通:東京メトロ南北線六本木一丁目駅北改札1-2出口より直通エスカレーターにて徒歩5分。
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