2022年12月に見たい展覧会【雪松図と吉祥づくし/遊びの美/日本の風景を描く】

今年も残すところあと1ヶ月となりました。



11月は東京国立博物館の『国宝展』のチケットが完売し、木・日・祝も夜間開館を実施したり、12月5日の月曜の臨時開館するなど大変な人気を集めています。すでに公式サイトでは延長分のチケットも完売していますが、12月11日の会期末に向けて、連日大勢の方で賑わいそうです。


一方で早くも来年に向けて「芸術新潮」や「美術の窓」など、2023年の展覧会のスケジュールを特集した雑誌も目立つようになってきました。そろそろ来年の展覧会の情報も収集していきたいと思います。

12月に気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『生誕150年記念 板谷波山の陶芸』 泉屋博古館東京(11/3~12/18)
・『DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン』 国立新美術館(11/30~12/19)
・『柴田是真と能楽 江戸庶民の視座』 国立能楽堂 資料展示室(10/29~12/23)
・『美をつむぐ源氏物語—めぐり逢ひける えには深しな』 東京都美術館(11/19~2023/1/6)
・『三浦太郎展 絵本とタブロー』 板橋区立美術館(11/19~2023/1/9)
・『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』 ポーラ美術館(9/17~2023/1/15)
・『マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち』 DIC川村記念美術館(10/8~2023/1/15)
・『ビーズ—つなぐ かざる みせる 国立民族学博物館コレクション』 渋谷区立松濤美術(11/15~2023/1/15)
『雰囲気のかたち-見えないもの、形のないもの、そしてここにあるもの』 うらわ美術館(11/15~2023/1/15)
・『野口里佳 不思議な力』 東京都写真美術館(10/7~2023/1/22)
・『マン・レイと女性たち』 神奈川県立近代美術館 葉山館(10/22~2023/1/22)
・『星野道夫 悠久の時を旅する』 東京都写真美術館(11/19~2023/1/22)
・『京都・智積院の名宝』 サントリー美術館(11/30~2023/1/22)
・『国宝 雪松図と吉祥づくし』 三井記念美術館(12/1~2023/1/28)
・『中﨑透 フィクション・トラベラー』 水戸芸術館(2022/11/5~2023/1/29)
・『DOMANI・明日展 2022-23』 国立新美術館(2022/11/19~2023/1/29)
・『マリー・クワント展』 Bunkamura ザ・ミュージアム(2022/11/26~2023/1/29)
・『祈り・藤原新也』 世田谷美術館(11/26~2023/1/29)
・『ボッティチェリ特別展 美しきシモネッタ』 丸紅ギャラリー(12/1~1/31)
・『月に吠えよ、萩原朔太郎展』 世田谷文学館(10/1~2023/2/5)
・『大竹伸朗展』 東京国立近代美術館(2022/11/1~2023/2/5)
・『遊びの美』 根津美術館(2022/12/17~2023/2/5)
・『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』 東京都現代美術館(2022/11/12~2023/2/19)
・『日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―』 山種美術館(12/10~2023/2/26)
・『北斎かける百人一首』 すみだ北斎美術館(12/15~2023/2/26)
・『諏訪敦 眼窩裏の火事』 府中市美術館(12/17~2023/2/26)
・『交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー』 東京都庭園美術館(12/17~2023/3/5)
「ガエ・アウレンティ日本そして世界へ向けた、そのまなざし」イタリア文化会館(12/11~ 2023/3/12)
・『六本木クロッシング2022展:往来オーライ!』 森美術館(12/1~2023/3/26)

ギャラリー

・『髙畠依子 CAVE』 シュウゴアーツ(11/19~12/24)
・『191人のクリエイターと瀬戸の職人がつくる招き猫 Lucky Cat』 クリエイションギャラリーG8(12/7~2023/1/21)
・『訪問者 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展』メゾンエルメス8階フォーラム(10/21~2023/1/31)
・『How is Life?―地球と生きるためのデザイン』 TOTOギャラリー・間(10/21~2023/3/19)
・『宇野亞喜良展』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/9~2023/1/31)

今月は日本美術に注目です。三井記念美術館にて『国宝 雪松図と吉祥づくし』が開かれます。



『国宝 雪松図と吉祥づくし』@三井記念美術館(12/1~2023/1/28)

これは同館を代表する国宝『雪松図屏風』を中心に、長寿や子孫繁栄、富貴といった吉祥主題の書画や工芸を紹介するもので、あわせて吉祥イメージがなぜおめでたいと見なされるのかについても明らかになります。

いわゆるお正月企画の展覧会でもありますが、年末年始を挟んでじっくり楽しむのも良いかもしれません。

「遊び」をキーワードに日本美術の優品を紹介します。根津美術館にて『遊びの美』が開催されます。



『遊びの美』@根津美術館(2022/12/17~2023/2/5)

今日、子どもの遊びやレジャーなどイメージさせる「遊び」は、歴史に目を向けると、単なる遊楽ではなく、教養を高めることや技芸を磨くことにも深く関わっていました。


そうした文化としての遊びを絵画や古筆、さらに屏風絵などでひもとくのが『遊びの美』で、室町時代の『玉藻前物語絵巻』をはじめ、江戸時代の『桜下蹴鞠図屏風』や『邸内遊楽図屏風』などが展示されます。貴族の歌合や蹴鞠、また武家の狩猟から庶民の祭礼まで、幅広い遊びの諸相を見ることができそうです。

ラストは日本の風景を日本画で楽しめる展覧会です。山種美術館にて『日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―』が開かれます。



『日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―』@山種美術館(12/10~2023/2/26)

これは古くから美術の題材として描かれてきた風景の作品を時代を追って紹介するもので、歌川広重の『東海道五拾三次』にはじまり、田植えの様子を絶妙な構図で描いた川合玉堂の『早乙女』、また農村の風景を鳥瞰的に表した田渕俊夫の『輪中の村』などが公開されます。


作品が発表されて以来、初めて同時に展示される、石田武の『四季奥入瀬』の連作全4点にも注目が集まりそうです。

WEBメディア「イロハニアート」にも今月のおすすめ展覧会を寄稿しました。

2022年12月おすすめの展覧会 | 日本美術と現代美術家の個展を中心に | イロハニアート


それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
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