都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
『宇野亞喜良 万華鏡』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
『宇野亞喜良 万華鏡』
2022/12/9~2023/1/31

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の『宇野亞喜良 万華鏡』を見て来ました。
戦後日本のイラストレーション界を切り開いてきた宇野亞喜良は、広告美術、絵本や小説の挿絵から舞台美術などと幅広く手がけ、現在に至るまで多くの作品を世に送り出してきました。
その宇野が新たに特殊印刷とコラボを果たしたのが『宇野亞喜良 万華鏡』で、会場では特殊印刷を施した新作、および1960年代から70年代にかけての旧作のポスターが公開されていました。

まず1階展示室にて目を引くのが特殊印刷による新作で、いずれも宇野がかねてより親しむ俳句と、代名詞とも言える少女をモチーフとしたシリーズが並んでいました。

そこには間村俊一や藤田湘子の俳句とともに、宇野の耽美的でかつアンニュイとも呼べる少女が描かれていて、あたかも作品を飛び出して壁から展示室へとイラストレーションが渦巻くような空間が作られていました。

一連の特殊印刷を手がけたのが雑誌『デザインのひきだし』(グラフィック社)の編集長である津田淳子で、一口に特殊といえどもギルディング和紙や段ボールといった素材をはじめ、スクリーンフォイルや箔を腐食させるような加工などさまざまな様態を見ることができました。

藤田湘子の俳句を添えた『美少女』では、バラの模様がエンボスされたドイツ製のホイルペーパーが用いられていて、支持体の色や柄も相まってか、可憐ながらもややゴージャスな雰囲気を醸し出していました。

いずれの作品も元来の宇野のイラストレーションの妙味をさらに引き出していて、大いに魅せられるものを感じました。

地下展示室での1960年から70年代のポスター約50点も見どころかもしれません。この時代、宇野のイラストレーションは大変な人気を呼び、たとえば劇団人間座公演のポスターに至っては街から剥がされてしまったというエピソードも残っていますが、一連のポスターからも当時の人気を伺い知るものがありました。
イラストレーター、宇野亞喜良が新たにコラボした特殊印刷とは? ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて展覧会が開催中!|Pen Online

日曜、祝日、および年末年始はお休みです。2023年1月31日まで開催されています。
『宇野亞喜良 万華鏡』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(@ggg_gallery)
会期:2022年12月9日(金)~2023年1月31日(火)
休廊:日曜・祝日。2022年12月28日(水)〜2023年1月5日(木)
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩5分。JR線有楽町駅、新橋駅から徒歩10分。
『宇野亞喜良 万華鏡』
2022/12/9~2023/1/31

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の『宇野亞喜良 万華鏡』を見て来ました。
戦後日本のイラストレーション界を切り開いてきた宇野亞喜良は、広告美術、絵本や小説の挿絵から舞台美術などと幅広く手がけ、現在に至るまで多くの作品を世に送り出してきました。
その宇野が新たに特殊印刷とコラボを果たしたのが『宇野亞喜良 万華鏡』で、会場では特殊印刷を施した新作、および1960年代から70年代にかけての旧作のポスターが公開されていました。

まず1階展示室にて目を引くのが特殊印刷による新作で、いずれも宇野がかねてより親しむ俳句と、代名詞とも言える少女をモチーフとしたシリーズが並んでいました。

そこには間村俊一や藤田湘子の俳句とともに、宇野の耽美的でかつアンニュイとも呼べる少女が描かれていて、あたかも作品を飛び出して壁から展示室へとイラストレーションが渦巻くような空間が作られていました。

一連の特殊印刷を手がけたのが雑誌『デザインのひきだし』(グラフィック社)の編集長である津田淳子で、一口に特殊といえどもギルディング和紙や段ボールといった素材をはじめ、スクリーンフォイルや箔を腐食させるような加工などさまざまな様態を見ることができました。

藤田湘子の俳句を添えた『美少女』では、バラの模様がエンボスされたドイツ製のホイルペーパーが用いられていて、支持体の色や柄も相まってか、可憐ながらもややゴージャスな雰囲気を醸し出していました。

いずれの作品も元来の宇野のイラストレーションの妙味をさらに引き出していて、大いに魅せられるものを感じました。

地下展示室での1960年から70年代のポスター約50点も見どころかもしれません。この時代、宇野のイラストレーションは大変な人気を呼び、たとえば劇団人間座公演のポスターに至っては街から剥がされてしまったというエピソードも残っていますが、一連のポスターからも当時の人気を伺い知るものがありました。
イラストレーター、宇野亞喜良が新たにコラボした特殊印刷とは? ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて展覧会が開催中!|Pen Online

日曜、祝日、および年末年始はお休みです。2023年1月31日まで開催されています。
『宇野亞喜良 万華鏡』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(@ggg_gallery)
会期:2022年12月9日(金)~2023年1月31日(火)
休廊:日曜・祝日。2022年12月28日(水)〜2023年1月5日(木)
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩5分。JR線有楽町駅、新橋駅から徒歩10分。
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