◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「そこを通らないでも行ける」って?

2008-08-24 10:01:20 | 気になる言葉、具体例
                      通れるか~い?
 「そこを通らないでも行ける」などと言った人、大物キャスター・・・でしょうね、出演していた報道番組を病気で降板し、最近、病を克服して復帰なさったようで、ある報道番組で、メインキャスターを相手に、ゲストという立場だからでしょうか、かなり気楽にしゃべっていました。だからこういう言い方をしてしまったのでしょうが、ちょっとこれはまずいでしょう。正しくは「そこを通らなくても行ける」です。
 「そこを通らないでも行ける」は、「気にしなくて外出できる」と逆のパターンになりますね。放送業界の人たちは、本来、「○○を気にしないで外出できる」と言うべきセリフを、意味も考えずに「ないで」を「なくて」と言い換える、理由は、響きが、「ないで」より「なくて」のほうが硬いから。それとは逆に、若い人がでれ~っとしゃべっているのを聞いていると、「~ないでも平気だしぃ~」といった言い方が多いように感じます。ひょっとして、このイメージを嫌うあまり「気にしなくて外出できる」となってしまったのかもしれませんね。
 若い人は、言葉の意味の区別、表現の豊かさということを気にしなくなり、「~なくて」も「~ないで」も「~ないで」で済ませてしまっているようですが、いい年した人までがこんな言い方をしてはいけません。自分がメインキャスターだったら、もっとビシッとして、こんなおかしなしゃべり方はなさらないでしょうけれど、たとえゲストでも、もう少し気をつけていただきたい。
 ちなみに、こちらの方言で言うと「そこ通らんでも行ける」となるのですが、これを標準語に直すと「そこを通らなくても行ける」であり、「そこを通らないでも行ける」ではありません。「通らん」=「通らない」ですが、「通らんでも」≠「通らないでも」です。「通らんでも」=「通らなくても」ですよぉ~。(^.^)/~~~
コメント
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