◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「財政難で閉園の危機へ」って?

2008-12-28 10:36:45 | 気になる言葉、具体例
                        親愛なるハムやんへ
 情報番組の映画紹介コーナーで見たテロップです。人が話しているのを急いでぱぱっと入力したものではなく、VTRが流れている間ずっと画面の下にこれが出ていたのですから、だれかが考えて、一応ちゃんと練ってある・・・つもりなのでしょう。なのに「閉園の危機へ」ですよ( ̄д ̄)! え? 何がおかしいのか分からない? う~ん、そうですね~、分からない人は大勢いると思いますよ、許容範囲内だと言う人もいるかもしれない・・・残念ながら・・・それほど広がっている変な日本語です。
 正しくは「財政難で閉園の危機に」です。「危機に」の後、どういう言葉が続くと思いますか? 「危機」ですから、瀕する、陥る、追い込まれる、などが考えられますね。では、どうですか、「財政難で閉園の危機へ瀕する」なんて言わないでしょう? 「パリ」なら、「パリに行く」でも「パリへ行く」でも、ニュアンスの違いはありますが、どちらも使いますね。でも、「閉園の危機」は「に」です。「へ」は「に」より、遠い、広い、漠然とした感じで、「危機」に「へ」なんて合いません。
 「5回めの誕生日を迎えることへなります」「犬へご飯をあげる」「猫へ名前を付ける」「流れ弾が恋人へ当たり」「参考へできる資料を」「川へ水浴びへ」「拝見へ伺います」「帰国の途へ」「オリンピックへ出場することが夢です」「シリーズ3作めへ出演することが決まった」「代役でスパイ映画へ出演」「次は中級へ挑戦」などなど、これみんな実例ですよ、私が勝手に書いたものではありませんよ、「に」なのに「へ」、私には理解できない感覚です。オリンピック出場は遠い夢、実現しませんね、これじゃぁ。
 「明らかになる」なのに「明らかとなる」と言う人が多いように、文法から外れていようが何だろうが、大げさに言いたい、もったいをつけて言いたい、「に」より「と」だ、同様に「に」より「へ」だ、ということでしょうか。これで本当に日本人なのか・・・( ̄_ ̄)?
 (⌒ε⌒)ぷぷーっ、またもやちゃんとしゃべれの神が降りてきました。テレビから「ここで訂正があります」と聞こえたので何だろうと思って注目したら、先ほど紹介した旅行の滞在先が間違っていた、「パリ5日間」ではなく「バリ5日間」だというのです。いつか出ると思っていましたが、これはまぁ、無理ないかなぁ、でもちょっと変・・・。確かにワープロの文字の「パ」と「バ」は区別しにくいですから、「パリ5日間」を「バリ5日間」と読むのは分かります。でも、その逆、「バリ5日間」を「パリ5日間」と読むなんて、よほど慌て者ですね。やっぱりパリは遠かったぁ~(⌒・⌒)ナンチャッテ。
コメント
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