◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「私は東京です」って?

2011-11-06 09:30:23 | 言葉についてあれこれ
                               私はハムハウスです

 電話の翻訳サービスなんてものがあるのですねぇ。だいぶ前からそれらしきことは耳に入ってきていましたが、いよいよ本格化したのでしょうか。例えば、電話をかけて日本語でしゃべったら、それが受け手の言語で伝わるのですから、便利・・・といえば便利なのでしょうけれど、日本語も満足にしゃべれない日本人が変な日本語でしゃべってそれをどう英語に直すっていうんでしょうかね(~_~;)?
 「どこにいるのですか」という問い掛けに対して、電話の向こうで外国人が「I’m in Tokyo」と言ったら「私は東京です」という日本語になりました。う~ん、まぁ、ね、「私は東京です」でも分かりますが、「私は東京にいます」ではないのだなぁ、大ざっぱな感じだなぁ~と思いました。自分の言葉と相手の言葉が正しく翻訳されているかどうか、一体どうやって確認するのでしょうか。
 マレーシアにドバイから覚醒剤を運んだ日本人女性が死刑判決を受けたという報道がありましたが、ずっと以前にオーストラリアで似たような事件がありました。そのときの旅行者は数人のグループだったと思いますが、オーストラリアへ移動する前に滞在していた国でスーツケースを盗まれ、幸い戻ってきたのでそれをそのまま持ってオーストラリアに入ったところ、禁止薬物がスーツケースに巧妙に隠されていて全員逮捕されたということでした。
 日本人旅行者のスーツケースを盗んで薬物を仕込み、持ち主に戻るようにする、何も知らない旅行者はそのまま次の国へ移動する、入国できたら、そこでまたスーツケースを盗んで薬物を回収すればいいわけで、発覚しても、逮捕されるのはスーツケースの持ち主です。もちろん、旅行者は事情を説明しましたが、悲しいことに英語ペラペラではなかったのです。
 事情聴取のために警察が用意した通訳がいまいちで、スーツケースは自分のものだが薬物のことは知らないということが結果的に警察に通じなかった、単純に「その荷物は自分のものだ」と英訳されたようだ、ということです。不運といえば不運ですが、実をいうと、スーツケースが戻ってきたときに随分重いなぁと感じたそうです。英語をしゃべれないのに海外旅行をするなら、何かトラブルが起きたときはふだんの10倍も100倍も慎重にならなければいけないのですね。
 自分は、正しく翻訳されていると分かるくらいの言語力を備えているだろうか。日本語は低レベル、ましてや英語なんて分からない、それで翻訳サービスをどう使うのか。例えば「彼女に不幸が襲う」というナレーション、日本語としておかしいのですが、一体どういう英語になるのでしょうか。翻訳を意識してしゃべればふだんより幾らかちゃんとした日本語でしゃべるでしょうけれど、これだって、だれかが原稿を書いた、それをナレーターが読んだ、なのに「彼女に不幸が襲う」ですよ。
 「~ざるをえない」という表現がありますが、これを「~ざる、おえない」だと思っている人が大勢いて、「NEWS ZERO」の村尾キャスターもその一人。確実に「言わざる、おえない」と言っています。「言わざる、おえない」はどういう英語になるのか、だれかやってみてぇ~~~。
コメント
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