◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

随分いいかげんなテロップ。

2007-03-18 11:07:39 | 気になる言葉、具体例
                 ずらかれっ
 2月26日に「テロップの言い換えは許されるのか?」というタイトルでテロップについて書きましたが、「思い込んだら100年め」の「め」のこともあって、また少し考えてみました。でじたる書房から出した「ちゃんとしゃべれ! あなたの日本語 ここが変だから直してください」
 http://www.digbook.jp/product_info.php/products_id/7732 では、対象を話し言葉に絞ったので触れていませんが、もう何年もずーっと気になっていることなのです。テレビの音声は、テープ起こし用に録音されたものとは月とスッポン、雑音もなくて聞き取りやすく、目からの情報もあるので条件ははるかにいいはずですが、それでもおかしなものがたくさんあるので少しご紹介します。
 話し手が「請求書」と言っているのに「領収書」と書いてあるテロップ、これは論外です。ある画家の盗作疑惑報道で、「新しい仕事を生んでいく」と言っているのに「同じような仕事を生んでいく」、これは先入観による聞き間違いでしょうか、微妙ですね。「ブラック・ピカソが・・・」、この書き方はまずいですね、ピカソはパブロ・ピカソ、ブラックはジョルジュ・ブラック、「ブラック、ピカソが・・・」と書くべきところを「・」で並べてしまい、ブラック・ピカソという人みたいになっています。「おいしいです」と言って餅をほおばっているシーンで「おいしかった」、もう過去のことです。
 入力作業者の力不足という例では、「家族の、協力は得られないまでも、賛同は得ないとやっていけないと思います」を「家族の協力と賛同を得ないとやっていけない」と書いてあるというのがありました。話し手は、協力は得られそうにないけれど、せめて反対しないで賛同してもらいたいと思っているわけで、協力がないとやっていけないと言っているのではありません。それから、「女性教師が殺された」というナレーションで「女性教師が殺害」というテロップ、これをそのまま読むと、女性教師が殺害したという意味になりますから、この女性教師は、被害者から加害者になってしまいました。
 さらに、趣旨をわざと変えたのかと疑いたくなるようなものまであります。「どうすべきか迷っています」と言っているのに「どうしたらいいか模索しています」と書いてあるのですが、果たして、模索するところまで行っているのでしょうか。これは聞き間違いとか入力ミスとかいうことではないですよね、意図的な感じもしますが、かりに模索するという段階まで進んでいるとしても、わざわざ話し手の言葉を変える必要などないはずですし、変えてもいけないと思うのです。個性的な言い方や方言の言い換えも、あまり度が過ぎると面白くないですね。そうすると、入力作業者には非常に高い日本語力が必要ということになりますが、ちょっと無理・・・かな。
 では、お気に入りワード(テロップ編)を一つ、「わかりずらかった」、私は「ずらかった」を先に読んでしまいました。(~o~)

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