hokutoのきまぐれ散歩

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周年の記念切手(戦前編)

2016-03-28 05:00:13 | 日記

『切手シリーズ』その56。日本の記念切手第一号は1894年3月9日発行された明治(天皇)銀婚記念の2銭(赤)、5銭(青)のツルと菊花紋章の図案である。銀婚記念ということは25周年だが、実は日本の記念切手の特徴として〇〇記念ばかりではなく、『〇〇の××周年記念』が多いのに驚かされる。

今回は戦前に発行された××周年記念切手を取り上げたい。初めて周年記念の記念切手が発行されたのは1921年4月発行の郵便創始50周年記念の4種の切手。よく見ると図案は凝っていて、1銭5厘と4銭は『四隅に竜文切手を配し、真ん中に創業時の郵便旗・日の丸・〒の郵便旗』の図案。

残りの2枚は『木挽町(現在の銀座)にあった逓信省』である。


1927年6月には万国郵便連合加盟50周年記念として4枚の切手が発行。うち2枚は『前島密』、残りの2枚は『世界地図とハト』である。

1930年11月には明治神宮鎮座10年記念。これには1銭5厘と3銭の明治神宮社屋が描かれている。

さらに1936年9月には関東局始政30周年、3枚発行されているが、うち1銭5厘には『地球とハト』が描かれている。これはかなり政治的な切手であろう。

また、1939年11月には『赤十字条約成立75周年』の切手が発行され、うち2枚は日本赤十字社創立者で『日本のアンリデュナン』と評せられた佐野常民の肖像が描かれている。

1940年10月には『教育勅語50年記念』、1942年には『満州国建国10周年』。

1942年10月には『鉄道70周年』、1942年12月には『大東亜戦争1年』、1944年6月には『靖国神社75年記念』と立て続けに5回連続で周年記念の切手が発行されている。

特に大東亜戦争1年の切手は寄付金付きで発行され、2+1銭は『パターン島を進む戦車』、5+2銭は『真珠湾の空中攻撃』と戦時下らしい図案となっている。

戦前には51年間にわずか34回(うち1回は不発行)の記念切手しか発行されていないが、その10回は『周年記念』である。ちなみに残りの内訳は天皇の行事(外遊も含む、また、1回は東宮御婚儀記念切手始めた関東大震災のため、不発行)が9回、戦争関連(日清・日露・第一次大戦・シンガポール陥落)4回、国勢調査が2回などとなっている。戦前の記念切手は殆どが単色、精々2色刷りで地味なものが多いが、太平洋戦争直前の時期を除き丁寧かつ上品なデザインであり、小生は気に入っている。