hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

秋波を送る 他

2017-03-04 05:00:11 | 日記

『改めて日本語を考える』その14。新聞に難しい表現が使われていてわからないけどそのままにしている言葉は意外に多い。

例えば『○○氏が●●党に秋波を送った』と書いてあったら、どういう意味で、なんと読むのだろうか?『秋波』はしゅうはと読み、別の言い方に変えると『色目を使う』とか『媚びを売る』と言った表現になる。そもそもは秋の澄み切った水の波を意味するが、転じて美人の涼しげな目元の例えになり、男性の気をひくための色っぽい目つきを意味するようになった。それを色目を使うと書くとまずいので『秋波を送った』という表現にしているだけのことである。

分かりにくい表現の一つに『更迭』という言い方がある。読み方を『こうそう』と言われることがあるが、後ろの字のしんにょうに乗っているのは『失う』という字であり、こうてつと読むのが正しい。

その意味は『①役職を自らの意思で退く』か、『②役職を解かれる、つまり、馘になり、違う人をその職に就かせる』とのどちらであろうか?実は②のニュアンスが近い。よくある例では『大臣が国会答弁で失言を行ない、首相に更迭される』など比較的高い地位の人が(予想外に早く)その地位を追われる際に使うことが多い。

テロ事件などで『確信犯』的な犯行などとよく使うが、この意味は①悪いことであると知りながら行なった犯罪、②犯人は自分の行なった事は正しく、周囲が間違っていると信じた者の犯罪のどちらであろうか。実は正解は②、つまり本人には犯罪の意識はなく、正しいと思っているのである。しかし、現在では①を意識して使われていることが多い。

やはり日本語は難しい。