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3月中旬にもなると花も増えるが、その少し手前のこの時期はまだ梅や河津桜など限られた木しか花を付けていない。そのような中でも花も美しく、香りもいいのがジンチョウゲ(沈丁花)である。
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家から駅までと最寄駅から会社に行くに庭木として植えられており、かなり以前から濃い紅色の蕾が膨らんできたのは知っていたが、小さな花の群が咲き始め、ほぼ出揃ったのは3月に月が変わる頃である。
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中国原産のジンチョウゲ属常緑低木であり、日本に入ったのは室町時代と言われている。沈丁花という意味は『香木の沈香のような良い香りがし、丁子のような花を付ける花』から来ていると言われる。
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我々が目にするのは花が白いシロバナジンチョウゲとピンクのウスイロジンチョウゲで我が家の近くの家にはこの両方が植えてある。
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花は比較的小さく地味なものだが、その甘くて濃い香りを頼りに鞠のように咲き誇る花を発見することが多い。夏に咲く梔子(クチナシ)や秋に咲く金木犀とともに三大香木と呼ばれることもあるが、まさに香りで振り向かせるタイプの花である。
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私にとってこの花の香りを嗅ぐことができるようになると春の足音が本格化するという意味を持つ。因みに花言葉は『永遠』『不滅』『栄光』など誇らしいものが多い。
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