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3月になるとスイッチが入ったように花が咲き始め、それを鑑賞するのも楽しい。
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まずはユキヤナギ(雪柳)、柳とはついているが柳の種類ではなくバラ科である。その姿が柳の枝のように細く伸びて枝が垂れること、春になると小さな白い花が溢れんばかりに咲くことからこの名前がついた。
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原産国は中国という説と日本原産という説がある。東京ではよく公園で見る花であるが、地域によっては絶滅危惧種として保護されている。葉は小さな丸い葉が付き、晩秋には落葉する。
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この季節には真っ白な花が咲き、まるで柳に雪を被ったように見え、素晴らしいネーミングと感心する。子供の頃過ごした家の庭に咲いており、何もしなくても毎年花を付けたのを思い出す。
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次にシキミ(樒)である。この葉は榊とよく間違えられるが、神事に使うのが榊、仏事に使うのが樒である。その由来は空海が青蓮華の代わりに密教の宗法に使ったことによるようである。そのため、葬儀には枕花として供えられ、また、墓参の折には末期の水同様に葉を一枚だけ浮かべるのである。
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このシキミは春になると黄色とも白とも言えない細長くよじれたような花弁を持った花を咲かせる。この地味な花がちょうど今満開で、街を歩いていて見つけることができた。
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ただし、実には猛毒があり、食用にすると死亡する可能性もある。また、シキミの実は毒物及び劇物取締法で植物としては劇物に指定されているため、注意を要する。シキミの名前の由来は『悪しき実』が略されて付けられたとの説があるくらいである。
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まあ、花は可愛らしく、地味な花ではあるのだが。正直言って墓参りの際に買うあのシキミに花が咲くとは初めて知った次第である。