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『鉄道シリーズ』その162。関東には私鉄の有料特急も徐々に増加、老舗の小田急ロマンスカーを始めスカイライナー(京成)、スペーシアやきぬ、りゅうもう(東武)、アルファリゾート(伊豆急)、富士山特急(富士急)などがあり、近々京王も参入を表明している。そのなかで西武鉄道に関してはレッドアロー(西武池袋〜西武秩父)は何回か乗ったことがあるが、今回ゴルフの帰りに本川越から初めて『小江戸』号に乗車することができた。
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西武鉄道新宿線有料特急の歴史は意外に古く、1976年に『おくちちぶ』(西武新宿〜西武秩父)、『むさし』(西武新宿〜所沢)が土日のみ1往復を運転開始した。その後、1993年に現在の10000系による小江戸号(西武新宿〜本川越)に代わった。これはJRのホームライナーなどの通勤需要取り込みを目的としたものである。平日は27〜29本、土日は24本が運行、西武新宿〜本川越までを45分程度で結ぶ。
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私が乗ったのは本川越発19時56分発小江戸46号。全てクロスシートで指定席と小田急ロマンスカーにも引けを取らない豪華さである。
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ただし、東村山で下車のため、わずか20分の旅であるが。
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閑散とした本川越駅の特急ホームには車掌が待っており、7号車に乗り込む。席はリクライニングで指定席に座るが、何と乗客は私だけ。ついでに前の車両にも行くがこちらも皆無である。まあ、すぐ後には本川越発の急行があるため、わざわざ400円も余計に払ってのる物好きも少ないだろうが。
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出発するとすぐに下車駅のアナウンス、そして8分で狭山市駅に停車する。やはり、誰も乗っては来ない。また、発車して8分で所沢駅に到着。池袋線の乗り換えもあるため、駅はにぎやかである。
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そして、所沢駅を出るとほぼ同時に東村山駅到着のアナウンス。駅間はわずか4分しかない。あっと言う間にこの電車ともお別れ。こんなすぐ着くならばせめて後21分乗って高田馬場まで行けば良かったかもしれない。全線に乗っても44分、47.5kmの小江戸号は通勤用の特急のようである。
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