『ぶらっと橋めぐり』その37。今回は神田川に架かる橋を面影橋〜江戸川橋間を歩く。
面影橋は都電で早稲田から一つ目の電停『面影橋』のすぐ前にある。大変ロマンチックな名前だが、上を通る道は目白台から続く鎌倉街道の古道でかつては姿見の橋と言われていた。
歌人在原業平が水面に身を映した説や三代将軍家光が鷹狩りの際に鷹を見つけ、その折に付けたという説など諸説ある。今の橋は周りの橋同様コンクリートの普通の橋である。
また、渡ったあたりには『山吹の里』の石碑が建てられているが、実は1686年に建立された供養塔を流用したものと思われる。太田道灌の山吹の花の『七重八重 花は咲けども山吹 みのひとつだになきぞ悲しき』という句の逸話
(太田道灌が雨に困り、近くの農家を訪ねると、娘が八重の山吹の一枝を出す。道灌は蓑くらい貸してくれればと思いつつ、屋敷に戻りその話をした。するとこれは古歌にあるフレーズで『実の』と『蓑』を掛けたもの。娘は貧しくて蓑もないことを言いたかったのだ、と教えられ、道灌は自らの教養の無さに愕然とし、その後は学問に励んだという話)
は有名であるが、その蓑を借りようとした場所がこのあたりと考えられている。
川に沿って歩くとすぐに隣の『三島橋』、その先には東京そめものがたり博物館。神田川ではかつて染色が盛んであったが、民間業者が造った小さな博物館。
少し早いが、桜が美しく咲いている。ただ、昼休みは休館のため、諦める。
その先は『仲之橋』、この辺りの橋はよく似ている。この先は一時的に川沿いの道が通行止めとなっているが、新しい橋を架けているためらしい。やむなく、早稲田通りまで一旦出る。
その先の高層マンションを左に折れてまた神田川沿いに道がある。そのすぐそばで新たな橋の工事中。
先に進むとその先には『豊橋(ゆたかばし)』という少し広い橋。反対側に渡り、また川沿いを歩く。うららかな春の日差しが暖かい。
もう、2週間もすれば川沿いの桜も綺麗だろうと思いつつ、まだ、固い蕾しか付いていないソメイヨシノを見ながらひたすら歩く。(以下次回)