かぶれの世界(新)

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軍師の覚悟

2014-07-13 17:06:59 | ニュース

歴史を変えた軍師の判断

黒田官兵衛が主人公のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が今夜、有名な水攻めからいよいよクライマックスの「本能寺の変」を迎える。黒田官兵衛の強烈なプッシュが無ければ、秀吉が一気に天下取りに向かう歴史上ターニングポイントとなった決断は無かった。後の最高権力者の意思決定を支える軍師の役割が発揮された一瞬がどう描かれるか楽しみにしている。

私は自分自身がトップに立つ器量はない、どちらかといえばトップを支える参謀タイプだと思っている。そういう点からも黒田官兵衛がどう描かれるか興味がある。官兵衛は戦国時代のサムライだから命を張ってトップに意思決定を迫る覚悟があった。正に生きるか死ぬかの迫力を感じる。そんな覚悟もない私は参謀としても失格だ。言い訳すれば先の大戦で日本軍にもろくでもない参謀が沢山いた。

オバマの軍師

この記事を書こうと思ったのは佳境を迎える大河ドラマのせいではない。ベン・ローズ大統領補佐官がオバマ大統領の外交・安保政策に影響を与えていると先週報じられた(日本経済新聞11日)からだ。彼の存在や背景を知らなかったので、失敗続きのオバマ大統領の外交をどういう人間が操っているのか興味があった。

記事はそこまで踏み込んでなかったが、大統領が打ち出した理想論が現実にぶつかり挫折を繰り返し、その度に支持率が低下するのにまだ交代させない。大統領との個人的な関係があると記事は示唆していた。大統領だけではない参謀に何か問題がある、政権運営が空回りする良くないパターンだと思う。Bウッドワード氏の次の著作のテーマになるかも知れない。

史上最悪のコンビ

同様の例を何度か見て来た。鳩山民主党政権が普天間基地移転を巡り迷走、米国政府の不信感を買ったのは最悪だった。これ程無能で出来の悪い首相を見たことがない。鳩山首相が驚くほど非常識とは思ったが、同時に裏で誰の意見を聞いていたか私は興味を持っていた。彼が無能だとしても、ブレーンとの組み合わせで歯車が逆回転した可能性もあるはずと。

その後の報道では寺島実郎氏が首相の外交ブレーンだったと聞くが、彼は相変わらずTV出演して持論を展開している。この人には官兵衛が命を張って秀吉に献策したような軍師の矜持という言葉が無いように感じる。そういう人の意見を中途半端に聞いた首相も、出演させるテレビ局に責任があるにしても、国を後退させた元首相の何分の一かの咎を受けるべきと思う。

アベノミクスに軍師はいる?

アベノミクスのブレーンとして浜田宏一内閣参与の名前が挙がるが、安倍首相には最終判断に決定的な影響を与える軍師のような役割を果たしている人物はいるようには思えない。首相は多くのブレーンの意見を聞いて自分で判断している、寧ろ第2次安倍内閣は間接統治に近いスタイルで意志決定しているのではないかと思う。

最高の軍師の結末

強大な権力を持っている様に感じた最近の例は、ブッシュ大統領時代のカール・ローブ補佐官だったと思う。当時話題になっていたネオコンとは考えが一致しているだけの関係だった。ローブ氏は一貫したイデオロギーよりも、時々の政策や意思決定が与えるであろう支持率や選挙への影響を最優先して大統領に進言した。

彼は最強の選挙参謀と言われた。つまり、親分の生き死にに関わるベストの判断をする、まさに戦国時代の官兵衛みたいな存在だったと私は思う。こういう存在は強い。だが、時々の情勢判断で親分は生き残っても、後世の評判は最悪になったのはブッシュ大統領の例を見ればよく分かる。

最高の組み合わせは?

しかし、ベトナム戦争に介入し米国を泥沼に陥れ5万以上の戦死者を出したのが、史上最高と言われたケネディ大統領のスタッフだったのだから難しい。トップと軍師のベストの組み合わせは何か歴史学者にとっていい研究テーマだと思う。私が知らないだけかもしれない。■

コメント
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