[お茶の木]屋敷の前には里山がある。杉が植林された、しかし、手入れをしてない荒れた状態で足を踏み入れることも出来ない(我が所有物ではないから、ため息混じりに眺めるのみだが・・・)けれど、私が子供の頃、この山は親戚の所有だったので、我が家が段々畑として使用していた。畑のそれぞれの段には、お茶の木が縁取りのように植えられた。勿論、茶葉を採るのが主目的だが、土が流れるのを防ぐ意味もあったと思う。自家消費用のお茶として、毎年5月には、一家総出(大人も子供も親戚のおばさんまで)で、「お茶摘み」をした。畑の「のり」に滑らないよう足を踏ん張りながら、中腰の姿勢で、葉を一本一本、手で摘み取る。子供の私はそれが嫌で嫌で・・・摘み取った葉に長い茎が付いてくると、歯にくわえて取り去るので、口の中が苦くなる。飴玉を舐めて解消するのだが、これだけが、唯一、楽しみだったように思うが・・・だから、私はお茶よりコーヒーの方が好きになったのかも知れない・・・なんて、違うかな。今は庭と畑の境に植えてあるだけだが、やはり5月はなんとなく気が重い。それなのに、お茶の花は好きなのだから面白いですねぇ。
一輪挿しにポンと投げ入れて、本棚の隅に置く・・・時折、それを眺めながら、お香など焚いて(聞くと言うらしいが・・・)、ゆったりとコーヒーを楽しむ・・・ちょっと変
・・・ですよね。