○大倉集古館 『国宝「随身庭騎絵巻」と男(をとこ)の美術』
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/shukokan/
『随身庭騎絵巻(ずいじんていきえまき)』は、実在した9名の随身を描いた”似絵(にせえ)”の画巻である。合戦絵巻の武者のように、華麗な大鎧こそまとっていないけれど、それぞれ個性的な風貌の随身たちが、暴れ馬を自在に操る姿は、アニメーションのようだ。私の好きな作品のひとつである。数年前(このブログを始める前)、巻頭から巻末までの「一挙公開」をしたときに全体を見た。
さて、今回はどうなのかな、と思って出かけたら、冒頭から4人目までが開けてあった。うーん。ちょっと残念。冒頭の3人は、烏帽子姿の肥大漢で、馬の手綱を引いているだけなのだ。4人目からは、顔立ちも装束も全然変わり、馬と一体となった曲乗りを見せてくれる。ただし、冒頭から7人目までが、似せ絵の名手・藤原信実の筆で、最後の2人は後人(息子の専阿)の補遺とされる。だから、本当は4人目から7人目が、最大の見どころなのだ。
帰り際、受付で「巻き替えはあるんですか?」とお尋ねしたら、「あると思いますが、まだ日程は決まっていないんです。すみません」とのお返事。あらら。これから行かれる方は、中日より後半を狙い目にするのがよろしかろう。そう言えば、上記のサイトに写真が掲載されている『一の谷合戦絵巻』も、まだ展示されていなかったと思う。
見応えがあったのは、前田青邨筆『洞窟の頼朝』。展示ケースの奥行きがないので全体像が見にくいが、その分、細部をよく観察することができる。珍品は『虫太平記絵巻』(江戸時代)。英一蝶や久隅守景の風俗画も楽しい。若冲のモノクロ版画図巻『乗興舟』が出ていたのは拾いもので、嬉しかった。
それから、めずらしく刀剣と、その拵(こしらえ)を美しいと思った。最近、時代劇にハマっていた余波かもしれない。
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/shukokan/
『随身庭騎絵巻(ずいじんていきえまき)』は、実在した9名の随身を描いた”似絵(にせえ)”の画巻である。合戦絵巻の武者のように、華麗な大鎧こそまとっていないけれど、それぞれ個性的な風貌の随身たちが、暴れ馬を自在に操る姿は、アニメーションのようだ。私の好きな作品のひとつである。数年前(このブログを始める前)、巻頭から巻末までの「一挙公開」をしたときに全体を見た。
さて、今回はどうなのかな、と思って出かけたら、冒頭から4人目までが開けてあった。うーん。ちょっと残念。冒頭の3人は、烏帽子姿の肥大漢で、馬の手綱を引いているだけなのだ。4人目からは、顔立ちも装束も全然変わり、馬と一体となった曲乗りを見せてくれる。ただし、冒頭から7人目までが、似せ絵の名手・藤原信実の筆で、最後の2人は後人(息子の専阿)の補遺とされる。だから、本当は4人目から7人目が、最大の見どころなのだ。
帰り際、受付で「巻き替えはあるんですか?」とお尋ねしたら、「あると思いますが、まだ日程は決まっていないんです。すみません」とのお返事。あらら。これから行かれる方は、中日より後半を狙い目にするのがよろしかろう。そう言えば、上記のサイトに写真が掲載されている『一の谷合戦絵巻』も、まだ展示されていなかったと思う。
見応えがあったのは、前田青邨筆『洞窟の頼朝』。展示ケースの奥行きがないので全体像が見にくいが、その分、細部をよく観察することができる。珍品は『虫太平記絵巻』(江戸時代)。英一蝶や久隅守景の風俗画も楽しい。若冲のモノクロ版画図巻『乗興舟』が出ていたのは拾いもので、嬉しかった。
それから、めずらしく刀剣と、その拵(こしらえ)を美しいと思った。最近、時代劇にハマっていた余波かもしれない。