○本橋隆司企画編集『立ち食いそば図鑑:ディープ東京編』(Myway Mook) マイウェイ出版 2014.12
年末に東京に帰省して、神保町の書店街をぶらぶらしているときに見つけた。何もこんな本を東京で買わなくても…と思いながら買ってしまった。札幌で暮らし始めて、1年9ヶ月になるが、なかなか美味しいと思えるそば屋に巡り合わない。そばは北海道の特産品のひとつだから、もちろん名店はあるのだろうけど、お店を選んでそばを食べに行くなんで、江戸っ子の性に合わない。手近のお店でさっと食べて、美味しかったらまた行くけど、何度通っても店の名前なんて覚えてない、っていうくらいがちょうどいいと思う。
それと、私が好きなのは、東京そばの「そばつゆ」の味なのだ。そばの挽き方・打ち方にこだわりはない。安くて早い、機械打ちで十分である。本書の写真を眺めると、東京のそばは、どこでも醤油そのものみたいな濃い色のつゆに浸かっている。そばの上には揚げ物。普通に座って食べるそば屋では、山菜とか鴨南蛮とかのメニューもいいが、立ち食いそばには、やっぱり掻き揚げだろう。5分かそこらでお腹がいっぱいになって、ちゃんとしばらく腹持ちがする。…という私の嗜好を狙い撃ちするような写真が、本書の表紙を飾っている。高円寺の「江戸丸」の掻き揚げそばらしい。眺めているだけで、狂おしいほど、唾が湧いてくる。山田順子さんも『江戸グルメ誕生』に書いていたが、「甘くてしょっぱい」は、江戸っ子のソウルフードならぬソウルテイストなのだ。そして、出汁はカツオに限る。
本書には40軒の立ち食いそば屋(椅子席のある店もあるが、基本はカウンター)が紹介されている。私が入ったことがあるのは2軒だけだった(お茶の水と府中)。前にも書いたように、わざわざお店を探して、立ち食いそばを食べに行くことはしないが、比較的行くことの多いエリアのお店は、記憶の隅にとどめておこう。
ああ、それにしても、そばのことを考えると、強い東京ホームシックになる…。
年末に東京に帰省して、神保町の書店街をぶらぶらしているときに見つけた。何もこんな本を東京で買わなくても…と思いながら買ってしまった。札幌で暮らし始めて、1年9ヶ月になるが、なかなか美味しいと思えるそば屋に巡り合わない。そばは北海道の特産品のひとつだから、もちろん名店はあるのだろうけど、お店を選んでそばを食べに行くなんで、江戸っ子の性に合わない。手近のお店でさっと食べて、美味しかったらまた行くけど、何度通っても店の名前なんて覚えてない、っていうくらいがちょうどいいと思う。
それと、私が好きなのは、東京そばの「そばつゆ」の味なのだ。そばの挽き方・打ち方にこだわりはない。安くて早い、機械打ちで十分である。本書の写真を眺めると、東京のそばは、どこでも醤油そのものみたいな濃い色のつゆに浸かっている。そばの上には揚げ物。普通に座って食べるそば屋では、山菜とか鴨南蛮とかのメニューもいいが、立ち食いそばには、やっぱり掻き揚げだろう。5分かそこらでお腹がいっぱいになって、ちゃんとしばらく腹持ちがする。…という私の嗜好を狙い撃ちするような写真が、本書の表紙を飾っている。高円寺の「江戸丸」の掻き揚げそばらしい。眺めているだけで、狂おしいほど、唾が湧いてくる。山田順子さんも『江戸グルメ誕生』に書いていたが、「甘くてしょっぱい」は、江戸っ子のソウルフードならぬソウルテイストなのだ。そして、出汁はカツオに限る。
本書には40軒の立ち食いそば屋(椅子席のある店もあるが、基本はカウンター)が紹介されている。私が入ったことがあるのは2軒だけだった(お茶の水と府中)。前にも書いたように、わざわざお店を探して、立ち食いそばを食べに行くことはしないが、比較的行くことの多いエリアのお店は、記憶の隅にとどめておこう。
ああ、それにしても、そばのことを考えると、強い東京ホームシックになる…。