見もの・読みもの日記

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よりみち山陽道:不動院(広島)、一乗寺、円教寺(姫路)

2011-06-20 22:59:52 | 行ったもの(美術館・見仏)
安国寺 不動院(広島市)

 木・金と広島に出張だった。金曜の昼で仕事が終わって、さてどうしようか。久しぶりに宮島という手もあったが、調べたら、広島市内に国宝建築をもつ寺院があって、しかも鉄道(新交通システム)で簡単に行けると分かり、こっちにした。

 丘陵を背にした住宅街に、エアポケットのような境内が広がる。まず、楼門(重要文化財)がいい。鐘楼は派手に塗り直されていて気づかなかったが、これも重文だったのか。金堂(国宝)は天文年間の建築。昨夜の雨を含んだ柿葺きの屋根が、つやつやと輝く様子は、うずくまる熊か黒牛のように見えた。これ、原爆にも遭っているはずなのに…。逆光のガラス越しに内部をすかして見る。少し寝ぼけたような木造薬師如来坐像(平安時代)も重文。



■西国第二十六番 法華山一乗寺(兵庫県加西市)

 金曜は姫路泊。翌土曜日、西国札所の一乗寺を訪ねる。前回(2009年11月)は、ご本尊ご開帳の折だったので、ずいぶん人が多かったが、今日は9:00発のバスを一乗寺で下りたのは私ひとり。ただし、自家用車で訪れる参拝客は多かった。丁寧に参拝のあと、そろそろと格子戸にすり寄って、内陣を覗く。ぴたりと扉を閉じたお厨子が三つ。中央の扉前には、金色に輝くお前立ちの観音様。でも秘仏ご本尊は古風なんだよな。あれー脇侍は何だっけ?と考えるが思い出せない。須弥壇の左右には十二神将。一段高いところに、たぶん二十八部衆(月日を掲げた阿修羅像が見えた)。あと、右側に白い頭巾を被った尼僧(?)の肖像があったが…。

■西国第二十七番 書写山円教寺(兵庫県姫路市)

 姫路駅に引き返し、別のバスで円教寺へ(神姫バス1日乗車券がお得)。西の比叡山と言われるだけのことはあり、見どころが多くて楽しい。舞台造りの摩尼殿もいいが、その奥の三堂(大講堂・食堂・常行堂→ラスト・サムライのロケ地)の、広壮な風景も大好きだ。食堂二階に展示されていた古瓦(天文年間)に、「恋しやとおもひゐる夜の夢はただ いくたび見るも君のおもかげ」というステキな古歌(特に既存の歌集などには採られていない様子)を見つけて、嬉しくなってしまった。わずかな灯りに荘厳されているだけの、常行堂の阿弥陀さんも好きだなあ。

 さらに奥の院(奥の院なのに「すぐそこ」とある)は、開山堂(まだ修復中)の屋根を支える鬼(トッケビ?)が見もの。乙天、若天という護法の存在も慕わしく、護法社の狛犬がかわいい。







 なお、円教寺参道の三十三観音像の写真を撮ってきて、フォトチャンネルで上げてみた。秘仏の多い西国三十三観音のお姿を偲ぶよすがにと思って。

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