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アイスショー"Fantasy on Ice 2024 静岡千秋楽"ライブビューイング

2024-06-26 22:15:45 | 行ったもの2(講演・公演)

Fantasy on Ice 2024ライブビューイング(静岡:2024年6月23日、13:00~、新宿ピカデリー)

 アイスショーFaOI(ファンタジー・オン・アイス)、今年はBツアーに羽生結弦くんが出演しなかったので、Aツアーに比べるとSNS上は格段に静かだった。それでも神戸、静岡の6公演(土曜2公演+日曜1公演)は、しっかり客席が埋まっていてよかった。お子さんや年配の方が多くて、いつものFaOIと雰囲気が違うという声や、地元向けの招待枠があったのではないか、という推測も流れていたが、それもいいと思う。私が初めてFaOIを見たのは2010年の新潟で、トップスケーターのクールな演技を、おじいちゃんおばあちゃんが、家族と一緒にニコニコしながら見ていたのを覚えている。なるほど、地方開催のアイスショーって、こういう「ゆるい」イベントなんだ、というのを知った瞬間だった。

 近年、羽生くんの出演するショーは、全国どこでもチケット争奪戦になっているが、今年のBツアーは、むしろ原点回帰でよかったのではないかと思う。地元招待で親に連れて来られたちびっ子から、未来のスケート選手やスケートファンが生まれないとも限らない。

 私は現地に行きたい気持ちもあったのだが、節約志向でライビュ観戦にしてしまった。スケーターはAツアーから、羽生結弦、山本草太、中田璃士、青木祐奈、上薗恋奈、パイポ―がOUT。織田信成、友野一希、チャ・ジュンファン、坂本花織、三原舞依、ライラ・フィア―&ルイス・ギブソンがIN。アーティストは石井竜也、一青窈、家入レオ。

 Bツアーのほうがイケメン度が上がった気がしたのは、チャ・ジュンファンくんに影響されすぎかな。家入レオさんとのコラボ「ワルツ」(ドラマ主題曲なのね)も「Golden hour」も眼福だった。ライラ/ルイス組は、家入レオさん「Silly」でしっとりコラボしたあと、後半は「ロッキー」で楽しませてもらった。フィギュアスケートのカップル競技、すっかり定番になった感じ。一青窈さんは織田くんとのコラボ「もらい泣き」もよかったけど、友野くんとのコラボ「他人の関係」に悶絶。私は金井克子を知っている世代だが、一青窈さん、ドラマ用にカバーしていたのだな。赤いキンキラジャケットでキレッキレに踊りまくる友野くんも、ルンバに寝転んで、自由に歌う一青窈さんも最高。ライビュ会場も手拍子で盛り上がった。

 いつもかわいい三原舞依ちゃんがイメージチェンジした「Survivor」も、髪の色を変えた坂本花織ちゃんの「poison」もカッコよかった。花織ちゃんは、オープニングの主役ポジションも頑張っていた。

 Bツアー最大の見ものは、ステファン・ランビエールとギヨーム・シゼロンの共演。その前にガブリエラ・パパダキスとアンサンブル・ダンサーズのコラボもあったんだけど、ガブリエラさん、あなたは女子スケーターじゃないなあ、という感じがした。技術力や存在感が、女子スケーターの枠を完全に踏み越えていて、唯一無二なのである。

 続いて、上半身には紫の薄手の衣裳をまとったステファンとギヨームが登場。曲は Henryk Mikołaj Górecki(ヘンリク・グレツキ)というポーランドの現代音楽家による「Symphony No.3」だったらしい。私は2018年のFaOI静岡で、ステファンとデニス・バシリエフスのデュエットプロを見たことがある。あれは、両者が師弟でもあったし、適度な距離を保って滑る「デュエット」だった。ところが今回は、大人の男性どうしが、変な意味でなく、濃厚に「絡む」のである。まあパパシゼのアイスダンスの本領であるとも言える。濃厚に絡みながら、お互いに自立しているという、不思議な肉体関係。再演はないだろうなあと思うと、一期一会の宝物を見せてもらった。

 しかしライビュだと、二人の表情や細かい動作がよく分かるのはいいのだが、一人の演技にスポットが当たるとき、もう一人はどうしているのか、光の当たるリンクにいるのか、陰に退いているのか、よく分からないのがもどかしかった。やっぱり現地に行くべきだったかなあとちょっと悔いを感じた。

 群舞の衣裳は花柄のシャツやワンピース。オープニングはやや地味色、フィナーレは明るいリゾートカラー。米米クラブ、石井竜也さんの「君がいるだけで」「浪漫飛行」も懐かしかった。最後はステファンが4Tチャレンジも見せてくれてありがとう。Bツアーは「ありがとうございました」無しの退場だったけど、楽しかった。また来年!


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