台風20号が去ってホッとした。 予定していた9月27日(金)から29日(日)の北穂高岳(3,106m)への登山である。 台風一過の好天で3日間とも素晴らしい天気に恵まれた。 上高地バスターミナルに12時15分到着。大型バスが駐車場いっぱいに並んでいた。 野外のテーブルベンチで休憩しながら昼食や各種の届出手続きを済ませ、12時50分横尾に向け出発した。
仲間は河童橋からの穂高連峰などは見飽きた景色のようで、視線はその先を見据え素通りである。 五千尺ホテルの前を通り、清水川の小さな橋を渡り小梨平キャンプ場に入って行く。 豊かな森が続き、森林浴を楽しみながら歩いて行くと30分ほどで、突然視界が開け、白沢の白い砂礫の上に明神岳の峻険な山姿を仰ぎ見る事ができた。
横尾までの林道はアップダウンが少なく、ほとんどが森の中で夏でも涼しくとても歩き易い。でも3時間と言うのが、一寸難点である。 池の畔を歩くようになると明神館は近い。13時40分到着。10分休憩。
明神の少し先で白沢の橋を渡ると、徳本峠(とくごうとうげ)への分岐がある。 この峠は上高地に入る往年の名街道の峠である。 徳本峠小屋が最近、新しくなったと聞き、またいつか島々谷を歩いて見たい。 林道を進むと、梓川の川幅も広がり、ゆったりとした流れの中にケショウヤナギが点在し、自然の素晴らしさに感動する。 道が梓川から離れ、右手の樹林に入るとハルニレの大木が点在する草原状の気持ち良いキャンプ場が見え、
その先には井上靖の小説『氷壁』で有名な氷壁の宿『徳沢園』が見える。 到着14時40分。休憩15分。 ここからは『氷壁』の舞台となった前穂高岳の東壁の全容が見ることができる。
徳沢園の横から小川を渡って、しばらく樹林帯の中を進み15分ほどでパノラマコースへの入口、新村橋の吊橋を左手に見ながら直進する。 道が梓川に近づき、左手に屏風の岩壁が迫り、正面には左上部から下がっている横尾尾根が確認できると横尾近しと感じる。
横尾にはキャンプ場そして立派なトイレも完備しています。 ここは槍ヶ岳、涸沢、蝶ヶ岳への分岐点でもあり、お風呂付の立派な『横尾山荘』があります。
到着15時50分。 山荘内に入ると木の香りがする立派な小屋で、早速お風呂に行き、ジェット風呂で体が癒されました。 体がとても暖まり部屋の中では暑くて、横尾大橋へ散歩に出て涼み、その後談話室で仲間と楽しみの一杯をやりました。