平安時代に創建された天台宗の古刹『十輪寺』
を参拝して来ました。
十輪寺は京都市の南西部に位置する西山の緩やかな丘陵地帯にあります。
「伊勢物語」の主人公で平安の六歌仙に名を連ねる『在原業平』が晩年をこの寺で過ごしたと言われ、別名を『なりひら寺』
と言われています。
このお寺の本堂は鳳輦形(ほうれんがた)呼ばれる御輿(みこし)のような独特のカーブを描いた屋根を乗せた本堂で、寛延3年(1750)に再建されました。
業平御殿と渡り廊下でつながる茶室の間にある「三方普感の庭」と呼ばれる見事な庭園も、このお寺の見どころのひとつです。
業平御殿、渡り廊下、茶室の三か所から場所を変え、見る人に様々な想いを感じさせるいわば
“癒しの庭”
と言われています。
この庭は、自然石と砂を巧みに取り入れたもので、寛延3年に右大臣「藤原常雅」公の造営と言われています。
業平御殿の襖絵は廃仏毀釈によって失われましたが、大阪在住の黒田正夕(くろだしょうせき)画伯によって見事に復元された。 三十二面にわたる豪華絢爛たる極彩色の王朝絵巻であります。
境内の中央には推定樹齢二百年と言われる「なりひら桜」
が満開でした。
本堂の裏手には、業平が海水を汲んで、塩を焼き風流を楽しんだと伝わる塩竃(しおがま)跡や業平の墓と言われる小さな宝篋印塔(ほうきょういんとう)などの史跡があります。 十輪寺の住所は京都市西京区大原野小塩町481で「小塩」の地名は、この故事に由来しています。