至仏山(標高 2228m)は尾瀬ヶ原を挟んで燧ケ岳と対峙する尾瀬のシンボル的存在の山です。
(2017年7月15日撮影)
至仏山は高山植物の宝庫としても名高く、小至仏山から至仏山に至る稜線には、固有種を含め色とりどりの可憐な花々が咲き競っています。
ホソバヒナウスユキソウに代表される希少な植物は、至仏山の基盤となる蛇紋岩に起因すると考えられています。
登山道は鳩待峠の北端、尾瀬国立公園の看板が立つ左の角にある。
ブナやダケカンバなど広葉樹林の中を緩やかに登って
行く。 時々、溝状に掘られたところを歩くが、登山道は良く整備されており歩き易い。
登り始めは展望の利かない道だが、2~30分進むとオオシラビソの針葉樹とダケカンバの入り混じった混交林に変わってくる。
以前は笹を切り開いた道で歩きにくかったが、今は木道が敷かれて、ずっと歩き易くなっている。
視界が開けて原見岩(トカゲ岩)と呼ばれる大岩のある湿地状の一面にお花畑が広がっている。
お花畑を登ると、目指す至仏山の頂上部が樹林越しに望める。 オヤマ沢源流の細い流れを越えて行くと、池塘のある湿原オヤマ沢田代に出る。
燧ケ岳や日光白根山などの日光
連山、正面には岩峰の小至仏山など眺望は最高である。 湿原を歩いて樹林の中に入り、笠ヶ岳への分岐を直進し尾根の右側を回り込むように登ると、ベンチのある小至仏山直下のお花畑に出る。
本来は尾瀬ヶ原や燧ケ岳の眺めが最高の場所であるが、この日は雲が低く薄っすらとしか見ることができず、非常に残念であった。
小至仏山へは木の階段を登り、滑り易い蛇紋岩の岩尾根を慎重に歩き進める。
尾根の右側を巻いて進み、ひと頑張りで標高 2162mの小至仏山に到着。
ホソバヒナウスユキソウが見られた。
目的の至仏山山頂へは尾根の左側、砂礫の登山道を緩やかに下って登り返して進む。
7~8月は高山植物が咲き競い登山者の目を楽しませてくれるのだが
、この年は7月でも残雪が多く、咲き競うというほどでもなかった。
道はいつしか広い台地状の上を歩くようになり、振り返ると今通過して来た小至仏山や笠ヶ岳を眺めることができた。
砂礫の道が終わると歩きにくい露岩帯の道となり、足元に注意しながら至仏山を目指す。
尾根の左側に下って登り返せば至仏山山頂に到着。鳩待峠から3時間50分でした。
山頂には、周りの山々の展望表示盤と二等三角点があり、さえぎる物が無く眺望は最高である。
復路は往路を戻るピストンで、山頂付近の蛇紋岩は表面がツルツルし滑り易いので、下りでは特に足元に注意して慎重に下った。