大津山 實相寺は永和年中、波木井伊豆守が出家され、實相院日応と号して宗を改め開いた日蓮宗のお寺であります。
山門

神代桜
は、山梨県北杜市武川町山高の實相寺境内にあるエドヒガンザクラの古木であります。
境内には沢山の桜が見られますが、神代桜は開花が早かった様で周りの満開の桜が目立ちました。
樹齢 2000年ともいわれ、 日本五大桜または三大巨桜(福島県の三春滝桜・岐阜県の根尾谷薄墨桜)の一つであり、1922(大正11)年10月12日に国の天然記念物第一号に、1990(平成2)年6月には新日本名木百選にも指定されています。

ところが近年の環境の変化により樹勢が急激に衰えてしまい、2001(平成13)年には樹勢の回復を図るべく、根や病気の調査を行いました。

翌年からの工事では、弱った根に活力を取り戻すための養分と有用な土壌微生物に富んだ土に入れ替え、更に主幹からの新たな発根を促すため屋根付きの櫓を撤去しました。

樹齢 2000年の古木と云われるだけに、根元幹周が 1922(大正11)年は 13.5mありましたが、2006(平成18)年には 11.8mにやせ細り、今回拝見した時も痛々しさを感じました。
今迄に実施されました樹勢回復工事の成果が現われ、一日も早く今まで以上の元気な姿を見せて欲しいと願っています。



これらの工事は4年間かけて行われ、2006(平成18)年3月に終了いたしました。




















山門から境内に入り参道を進みます。 


参道左手には一面に水仙が咲き、満開の桜並木とその背景には南アルプスの雄姿が聳えています。
足元にはおよそ8万株のラッパ水仙も咲き、黄色、白、ピンクと色鮮やかさが引き立っています。



本堂左手には桜に囲まれ日蓮聖人立像
が見られました。 13世紀頃、日蓮聖人がこの木の衰えを見て回復を祈ったところ再生したため、
『妙法桜』
とも言われています。





実相寺の境内には神代桜の他にソメイヨシノが 30本、スペースシャトルに乗って
宇宙に旅立った神代桜の種子が地球に戻り発芽した
「神代桜の宇宙桜」
も公開されています。




三春滝桜の子桜
平成 12年に福島県三春町より譲り受けて植栽した「滝桜」の子桜だそうです。



臥竜(がりゅう)桜の子桜
平成14年4月に岐阜県高山市より譲り受け植栽されたそうです。




庫裡の前に咲くソメイヨシノ




鐘楼を囲む桜
鐘楼に架かる梵鐘は総高 145cm、鐘身 105cm、口径 79cm。 技法的に江戸初期の特色が良く表現されているという美しい梵鐘です。



第二次世界大戦中、すべての金物が供出させられた中で、由緒ある文化遺産として供出を免れたものだそうです。




本尊に合掌すれば 信心となり
父母に合掌すれば 孝養となり
長上に合掌すれば 敬慕となり
事物に合掌すれば 慈愛となり
自分に合掌すれば 修養となり
お互いに合掌すれば 幸福となる 


日本一の桜が生きる『實相寺』でした。
