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「ローン・レンジャー」 ゴア ヴァービンスキー監督 米 ○ ☆☆
1950年代の大ヒット西部劇の映画化です。鉄道事業が西部へと拡大されていく時代です。
死の淵から白馬シルバーの呪力によって蘇ったレンジャー(連邦保安官)のジョン リードと復讐のために彼を助けるコマンチ民族のはぐれ者トント(ジョニー デップ)が悪人ブッチ(ウィリアム フィクトナー)を追い詰めます。しかし、本当の悪はもっと大きな存在でした。はたしてふたりは目的を達成できるのでしょうか。
機関車を使っての大アクションと、法によって裁こうとするジョンの真面目さと、トントのちょっとお茶目で間の抜けた(トントとはスペイン語で間抜けの意)コンビがくりなすおかしなやりとりが見どころです。起承転結がはっきりしていて、その上勧善懲悪で観終わってスカッとした気分になれます(☆)。また、誰もが聴いたことのあるあのテーマ曲(ウィリアム テル序曲)はもちろん最高の場面で使われ思わず拍手です。最も感動的なのは、ラストのラスト年老いたトントが砂漠の中をよろよろと去っていく場面に流れる音楽で、テーマ曲とは対照的な叙情豊かな曲が流れます(音楽ハンス ジマー)。白人が先住民に犯した罪に対して考えさせる名曲であり名場面です。エンドクレジットが始まってすぐに席を立ってしまうとこのラストは見逃してしまいます。くれぐれもあわてずに場内が明るくなるまで席を立たないこと。アメリカ映画制作者は歴史からきちんと学んでいて先住民に対しても尊敬の念を持って製作していることも感動的です(☆)。
タバコはなし。すばらしい。時代的にはモクモクだったはずですが、タバコフリーでも全く問題ありませんでした。さすがディズニーです。日本の映画界も学んでほしいものです。