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「少年H」 降旗康男監督 ×× たばこと塩博物館協力 ☆
1997年に妹尾河童の自伝的小説として刊行されベストセラーとなり、海外でも翻訳されている作品の映画化です。好奇心旺盛で絵のうまい肇(吉岡竜輝)は、神戸で洋服の仕立て屋を営む父(水谷豊)、敬虔なクリスチャンの母(伊藤蘭)、そして妹(花田優里音)と一家4人で暮らしていました。1941年の真珠湾攻撃以降人々の暮らしには戦争の影が忍び寄ってくるのでした。その後神戸の大空襲、敗戦、アメリカの占領と続き、やがて新しい未来が始まろうとしていました。
近所のうどん屋の兄ちゃん(小栗旬)の逮捕や映画館の映写技師の自殺、父親の取り調べなど、当時の市民の日常に忍び寄るさまざまなエピソードは戦争の銃後の恐ろしさを伝えています。敗戦後、近所の在郷軍人や軍事教練の教官の豹変ぶりも考えさせられました。兄妹やその友達など子役たちが味のある演技をしていました。この時期に是非子供にも見せたい作品です。
タバコは残念ながら小栗旬が子役の吉岡の前で喫煙し(×)、この場面は児童虐待に相当しますので真似してほしくありません。また、在郷軍人の國村隼も店の前でいつもタバコを手にしていました(×)。(吸ってはいませんが・・・)
当時のタバコを提供したのでしょうか、「たばこと塩博物館」の協力を受けています。