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「タイピスト」 レジス ロワンサル監督 仏 ×××××
1950年代のフランスが舞台です。田舎町から出てきた娘が世界タイピスト早打ち大会(?)に出場するまでを描いています。ローズ(デボラ フランソワ)は父親が決めた結婚を拒み、都会に出て秘書の仕事に就きます。雇い主のルイ(ロマン デュリス)はローズが「象打ち(人差し指だけでタイプを打つこと)」ですが、そのスピードの速さに驚きます。スポーツ万能のルイは鬼コーチとなりローズを早打ち大会に出場させるため日夜の特訓を始めるのでした。もちろんフランス映画ですから恋のお話も織り込んであります。
早打ちというのは1分間に500字以上で勝負は5分間で行われます。当時のタイプライターですから体力勝負でもあります。決勝でアメリカ対フランスが1対1で勝負する場面はまるでボクシングのようでした。当時の職業婦人の憧れでもあったタイピストの世界を興味深く描いていました。また、衣裳が大変おしゃれでした。難をいえばルイがいまひとつ魅力的じゃないことでした。
タバコは、ルイが冒頭からほとんどの場面で喫煙していてモクモクでした(×××)。前半はタバコにむせていたローズが成功してくるとタバコを吸う場面もありました(×)。そのほかパイプや葉巻も周囲で出てきていました(×)。その反面、女子寮の管理人が「あなたタバコ臭いわよ。」とローズがルイの受動喫煙による残留タバコ煙で臭くなっていることを指摘したり、ローズの好みの男性として「タバコを控えめに」というセリフがありその2点は評価できます。