
「ばしゃ馬さんとビッグマウス」 吉田恵輔監督 ××× PPマルボロ
学生時代からシナリオライターをめざし奮闘しているみち代(麻生久美子)はコンクールに挑戦はするものの一次審査も通りません。それでもシナリオスクールに通い、毎日書き続けていました。スクールで知り合った天童(安田章大)は1行も書いていないのに自称天才ライターです。天童はみち代に近づきますが、みち代は自信過剰な天童を理解できません。それでも二人はお互いを意識しながら書き続けるのでした。
「あきらめなければ夢はかなう?」「いつ夢をあきらめたらいいのか。」「あきらめるきっかけは?」と一般的なテーマとはちょっと違うテーマが新鮮です。麻生がゆれる気持ちを微妙な表情の変化で表現し好演しています。
タバコは、安田(ジャニーズ事務所 関ジャニ∞のメンバー)が前半の多くの場面で喫煙していました。観客の多くは彼目当ての若い人でしたので非常に大きな問題です(×)。みち代の女友達も喫煙(×)。絶対やっては行けない缶コーヒーの缶に吸い殻を捨て(×)、知らずにみち代が口にしてしまう場面もありました。大人だったから吐き出すことができましたが、乳幼児が誤飲すると命取りになります。映倫の審査員はこういう場面をなぜ問題視しないのか全く不思議です。また、免罪符のようにカラオケ店の場面では禁煙マークがかなり長い時間映っていました。シナリオスクールの教室にも「室内禁煙」の張り紙がありましたが、シナリオライターを目指す人は張り紙がないと教室内でも喫煙してしまうのでしょうか。天童が母親から「まだタバコ吸ってんの」と言われる場面もありましたが平気で吸っていました。
芸術文化振興費補助金助成作品です。タバコ宣伝映画に税金で助成する必要があるのでしょうか。
面白い作品なだけに闇金のにおいが漂っていて大変残念です。ちなみに芸術文化振興基金には、日本たばこ産業が1億円以上支援した企業として名前があがっています。