無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ペコロスの母に会いに行く

2013-11-19 | 2015以前の映画評


「ペコロスの母に会いに行く」 森崎東監督 △ ☆

 団塊の世代のゆういち(岩松了)と老いて少しぼけて来た母親(赤木春恵)の日常を描いています。仕事中も家に一人でいる母親が起こすトラブルで落ち着かないゆういちは息子とも相談し、グループホームに入居させます。母親の子ども時代から、結婚し子どもができたものの酒飲みの夫(加瀬亮)に苦労させられた過去の回想場面が自然に描かれていて一代記ともなっています。テーマは深刻な部分もありますが、原作者の描くほのぼのとしたイラストやゆういちとその周囲にいる人々の暖かさで、ぼけるのも悪くないと思わせる明るいドラマになりました。グループホームの老人たちも楽しそうでしたね。主役の若松と赤木が好演しましたが、地味な俳優さんたちもみなさん好演していました。ラストの長崎ランタンフェスティバルもきれいでした。
 タバコは大変残念なことに、ライブハウスなどの場面でちらりと映ってしまいました。
 印象に残った場面はめがね橋の上で赤木春恵が過去を思い出すシーンです。なつかしい人に囲まれ母の幸せな日々がよみがえりました。原田知世の着物姿がとてもきれいでした。

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ジンクス

2013-11-19 | 2015以前の映画評


「ジンクス」 熊澤尚人監督 ○ ☆ 無煙映画大賞候補作

 恋人を交通事故で亡くしたショックから立ち直るために日本に短期留学を決めたジホ(ヒョミン)は女子寮で楓(清水くるみ)と強引に友達になります。楓はひとりが気楽でいいと思っていましたが、ジホからは「ひとりでご飯食べる、良くない。」などと言われ、少しずつジホのペースに慣らされて行くのでした。実は楓は大学で再会した中学生の頃の同級生が気になっていたのですが、打ち明けられずにいました。それを知ったジホは恋の成就のための特訓を楓と、そして相手の雄介(山崎賢人)にそれぞれ施すのでした。しかし、二人の関係が近くなるほどにジホは亡くなった彼を思い出し切なくなるのでした。
 王道を行くラブコメディですが、観客はジホの悲しい過去を知っているので明るく振る舞うジホに笑わされながらも本心を思うと泣ける作品でもあります。さすが、青春ロマンティックドラマの巨匠熊澤監督らしい秀作です(☆)。主役のヒョミンは大変魅力的で、韓国と日本では恋愛観が少し違うということも作品の奥行きを広げました。
 タバコはなし。無煙です。ヒョミンは無煙映画大賞主演女優賞候補です。
 印象に残った場面は、ジホが初めて自分の過去の出来事を楓に話すシーンです。坂道を歩きながら話す場面ですが、なぜか風の音が入ります。それがジホの心を表しているようでした。

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