「ペコロスの母に会いに行く」 森崎東監督 △ ☆
団塊の世代のゆういち(岩松了)と老いて少しぼけて来た母親(赤木春恵)の日常を描いています。仕事中も家に一人でいる母親が起こすトラブルで落ち着かないゆういちは息子とも相談し、グループホームに入居させます。母親の子ども時代から、結婚し子どもができたものの酒飲みの夫(加瀬亮)に苦労させられた過去の回想場面が自然に描かれていて一代記ともなっています。テーマは深刻な部分もありますが、原作者の描くほのぼのとしたイラストやゆういちとその周囲にいる人々の暖かさで、ぼけるのも悪くないと思わせる明るいドラマになりました。グループホームの老人たちも楽しそうでしたね。主役の若松と赤木が好演しましたが、地味な俳優さんたちもみなさん好演していました。ラストの長崎ランタンフェスティバルもきれいでした。
タバコは大変残念なことに、ライブハウスなどの場面でちらりと映ってしまいました。
印象に残った場面はめがね橋の上で赤木春恵が過去を思い出すシーンです。なつかしい人に囲まれ母の幸せな日々がよみがえりました。原田知世の着物姿がとてもきれいでした。