無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

もらとりあむタマ子

2013-11-26 | 2015以前の映画評


「もらとりあむタマ子」 山下敦弘(のぶひろ)監督 ○ ☆ 無煙映画大賞候補作

 23歳のタマ子(前田敦子)は大学卒業後甲府の実家に寄生しています。髪はボサボサ、ジャージで一日中漫画を読んでごろごろしています。一緒に暮らす父親(康すおん)はスポーツ店を営みながら三食を用意するだけでなく、家事のすべてをこなしています。タマ子は店も家事も手伝わず、父親から一言言われただけで逆ギレします。しかし、父親に女性の姿がちらつき始めるとタマ子は落ち着かず行動を開始するのですが・・・。
 前田が「もらとりあむタマ子」のイメージ通りの絶妙な演技をしています。モデルのオーディションを受けようと企んでいたときは温野菜しか食べなくて、それをあきらめるとまたガツガツ何でも食べるようになったり、はじめはストーブの給油を父親にやらせていたのを言われなくても自分でするようになったり、行動が微妙に変化して行く様子をさりげない行動で表現していて、脚本もよくできていますが、それ以上に前田が自然に動いていました。特にタマ子の洗濯物の干し方は最高です。タマ子に関わる中学生(伊東清矢)も「天然コケッコー」の岡田将生を彷彿させる名演技でした。前田とともにこれからが楽しみです(☆)。
 タバコはなし。無煙です。昨年「苦役列車」、一昨年「マイ・バック・ページ」と2年連続の「汚れた灰皿賞」の山下監督ですが、「山下君、きみもやればできるタイプ、じゃないか。」とほめてあげたいです。前田敦子は主演女優賞(?)
 印象に残った場面は、テレビを見ていたタマ子が「ダメだな!この国は」とつぶやくと、父親はダメなのはおまえもだといった顔をします。その表情がすごくいい。2度目には言葉に出していいますが。

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すべては君に逢えたから

2013-11-26 | 2015以前の映画評


「すべては君に逢えたから」 本木克英監督 ○ ☆ 無煙映画大賞候補作

 一日100万人以上が利用する東京駅周辺でクリスマスの時期を舞台に6つの物語が交錯します。
 施設で母親を待つ少女、その施設で働く職員、好きな人に告白できない女子学生、仕事が忙しくてなかなか逢えない遠距離のカップル、余命わずかと宣告された新幹線の運転士一家、49年前に待ち合わせた男が来なくて結局独身でケーキ屋を営む女性、そしてクリスマスをきっかけに出会ったイヴの恋人と、どの世代の観客にも共感できる物語が織り込まれています。クリスマスの時期には毎年関連した映画が発表され「歳時記映画」とも言えますが、脚本は大変良くできていて、子役からベテランまで好演していました。家族でもカップルでも楽しめる作品です(☆)。
 タバコはなし。無煙です。新幹線の禁煙マークが映りました。
 印象に残った場面は、時任がこどもに自分の病気を告白するシーンです。役者としての貫禄が出てきましたね。

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